ゴルフを愛する皆さん、練習してますか?
今回は千葉県香取市の「オーク・ヒルズカントリークラブ」からラウンドレポートをお届けしていきます。
「リスク&リワード(危険と報酬)」を哲学とする設計家、ロバート・トレント・ジョーンズJr氏が手掛けた同クラブは、日本で最初に“ベントのワングリーン”を実現したゴルフ場として知られています。
また、2025年の10月からは、アコーディアの新ブランド「GRAND(グラン)」を冠し、威厳と品位を兼ね備えたハイグレードなゴルフ場として、より上質なゴルフライフを演出していきます。

かつての名門が「GRAND」ブランドとして復権へ
東関東自動車道「大栄IC」から約8分の位置にある同クラブは、全長6,900yardの林間コースで、かつては幾多のプロトーナメントを開催した実績を誇っています。

「GRAND」を冠した真新しい看板は、なんとも表現しがたいニュアンスカラーを採用していました。

クラブハウスの外観は、名門としての風格と上質な雰囲気を漂わせています。
ただし、ゴルフバッグはセルフで降ろしてラックまで運ぶ必要があります。アコーディアで6コースしかない「GRAND」ブランドの一角として、それで良いのか少し疑問です。

その一方、広々としたレセプションは、「GRAND」ブランドらしい厳かな雰囲気と居心地のよさが巧みにバランスされています。

また、その奥に併設されているプロショップには、多彩なアイテムがスッキリ整然と並べられています。

チェックインならびに精算は、セルフレジスタイルで完結します。
この日のプレーフィは、平日ランチ付きで6,719円+ゴルフ場利用税600円に、その場で400円のロッカーフィを追加した7,719円。
アコーディアカードに来場ポイントは付加されないものの、「GRAND」ブランドを掲げているわりにはリーズナブルで、好感度がぐーんと上がりました。

クラブハウス内は順次改装を進めるとのことでしたが、今回はとくに不便を感じることはありませんでした。

ちなみにバスルームは、階段を上がった先の2Fに設置されています。
余裕をもって到着して、じっくり練習したい設備が整っている
身支度を整えたら、最終調整へと向かいます。……とは言いつつ、筆者は珍しくギリギリに到着したため、パッティンググリーンで少し転がしただけでスタート時間と相成りました。

パッティンググリーンは全2面で、この日は1面がクローズ。

グリーンスピードは「9.5ft」で、やや早めの設定。猛暑が続いた中、良好なコンディションをキープしているようです。

ドライビングレンジなどの練習場は、クラブハウスを出た左手に設置されています。

アプローチ練習場は、芝のメンテナンスを平行しながらも、十分なスペースを確保しています。

併設されているバンカーも本格仕様。コース内では巨大なバンカーが存在感を発揮しているので、バンカーショットに不安がある方は、ここでしっかり調整しておくとベターかもしれません。

ドライビングレンジは全12打席で、貸出ボールは30球550円。

ネットまでの距離は135yard程度ですが、ドライバーもしっかり練習できる感じです。
というわけで、荒くなった呼吸を整えながら、スタートホールへと向かいます。
美しく戦略的なコースは、実にコストパフォーマンスが高い
それではティーオフ! この日は、OUTコースの1番ミドル(レギュラーティから374yard)からスタートです。

ホール毎の案内ボートは、なかなか“GRAND感”があります。

乗用カートはリモコン式で、最新タイプのカートナビを搭載しています。

この日は総勢12名のミニコンペでしたが、朝イチのティーショットは普段どおりに7割ショットで運んでいきます。

2番ミドル(同342yard)は、正面のバンカーが気になるものの、「右のOBよりはマシ……」と考えて、強気で攻めていくのが吉と思われます。

2番のグリーンに上がった時点で、「コースもグリーンも、コンディション抜群じゃん!」と早々に判断していましたが、それは全く間違っていませんでした。

右ドッグレッグの3番ロング(同441yard)は、コーナーの両サイドにバンカーが設置されている、実に嫌らしい設定です。
ドライバーの飛距離に自信がある方は、バンカーが気にならなくなるショートカットを狙った方が、実質的には堅実な攻め方だったりもします。

とくに左サイドのバンカーは、形状は可愛らしいものの、あまりにも巨大です。

続く4番ショート(同185yard)は、レギュラーティからでも距離があり、しかもグリーンの両サイドには巨大なバンカーが待ち構えているので、スコア重視であれば安全第一で攻めていきたいところ。
とはいえ、リスクを承知でピンをがんがん攻めていくのも、コンペならではの楽しみと言えます。

一息ついた5番ミドル(同315yard)は、両サイドに大きなバンカーが連なっているものの、フェアウェイは意外と広々としています。

その反対に、続く6番ミドル(同369yard)は、ティーショットの落としどころが狭くなっていて、さらにグリーンに近づくにつれてコース幅が狭くなっています。

右ドッグレッグの7番ロング(同520yard)は、右奥の木をケアしながら、最短ルートを攻めていきたいところです。

グリーン周りには、大小さまざまなバンカーが配置されていますが、花道は大きく開放されています。視覚情報に惑わされず、シンプルに狙っていきましょう。

8番ショート(同167yard)は至極フラットながら、風の計算をお忘れなく。

前半ラストの9番ミドル(同357yard)では、ティーショットは刻み一択となります。

ちなみにグリーン周りは、もはやお馴染みとなった“バンカーパラダイス”になっています。

というわけで、ランチタイムです。レストランへと向かう階段の踊り場には、思わず見惚れるステンドグラスが設置されていて、心を潤してくれました。

レストランの雰囲気も上質で、とくにシャンデリアは、思わず乙女のように「ステキっ!」と言いたくなる色合いと造形でした。
ちなみにテーブル席はすべて4人掛けですが、窓側のテーブルの方が“ひと回り大きい”ことは、知っておいて損はないでしょう。

この日は、サラダ&デザート付きの「ビーフカレー(+350円)」をセレクトしましたが、

お蕎麦が本格的な「天ぷらそば・冷(+790円)」に目移りしてしまいました。

とはいえ、写真でシズル感を出せば、ビーフカレーも負けてはいません(なんの勝負やら……)

その一方、お洒落なボトルで提供されたお冷やは、何度ティスティングしても単なる水道水にしか思えませんでした……。

モヤっとした気持ちを抱えたまま、後半のINコースへと向かいます。

10番ロング(同472yard)は、距離的には2オンも十分に狙えますが、あくまでもバンカーを避けた方向に打ち出していくのが賢明です。

続く11番ショート(同175yard)は、左上から右下へと、“ベロ”がだらりと垂れ下がっているようなグリーンの形状がユニークです。

ズームで寄ってみると、こんな感じです。筆者らの組は、グリーン左上なら「タン先に乗ったー!」と声を上げ、グリーン右下なら「タン下に乗ったー!」と悪ノリしてみました。

ちなみにこの11番ショートは、あのアーノルド・パーマー氏がホール・イン・ワンを達成したメモリアルホールだそうです。

ちょっと飛んで15番ミドル(同408yard)は、急激な左ドッグレッグになっているため、ティーショットでは方向性もさることながら、より正確な“縦距離”も求められます。

続く16番ロング(同501yard)は、まさしく“名物ホール”に相応しいレイアウトになっています。
ティーショットはのびのびと打てるものの……

グリーン手前の100yard付近では、“オークツリー”と大きな池が行く手を阻んでいるため、セカンドショットの落としどころが攻略のカギとなります。

それにしてもゴルフコースでは、石造りの橋がよく映えますね。

こんな橋を目にすると、あえてカートには乗らず、てくてくと歩いて渡りたくなります。

大きな池には錦鯉がお住まいになられていて、人の気配を感知すると、まるで潜水艦のように突進してきます。

最終の18番ミドル(同359yard)は、緩やかに延々と打ち上げていきます。

そして、写真ではぜんぜん伝わらないのが残念なのですが(汗)、グリーンの右サイドにピンが切られているケースでは、とてつもない傾斜に驚かされるかもしれません。

戦略性の高いレイアウト・良好なコンディション・リーズナブルな価格(平日)という3拍子を揃えた「オーク・ヒルズカントリークラブ」は、筆者的にはかなりオススメ! GRANDブランドを冠した今後は、その存在感をさらに高めていくかもしれません。