ゴルフを愛する皆さん、練習してますか?
今回は千葉県千葉市の「鷹之台カンツリー倶楽部」からラウンドレポートをお届けしていきます。
戦前の昭和5年に設立された歴史を持ち、名門中の名門コース「関東七倶楽部」の一角に数えられる同倶楽部。戦後には名匠・井上誠一氏がコース設計を見直し、男子メジャーの「日本オープンゴルフ選手権」をこれまでに4回開催した実績を誇っています。
通常時はメンバーもしくはメンバー同伴でのみラウンド可能ですが、毎夏に開催されるチャリティイベント『ゴルフフェスタ CHIBA』に協賛し、多くのゴルファーにその門戸を開いています。

会員権価格は2,000万円オーバー! 千葉県屈指の名門コース
東関東自動車道「千葉北IC」から約15分、京葉道路「武石IC」から約20分の位置にある同倶楽部は、都心部からの好アクセスも特徴のひとつ。

千葉北IC方面からは国道16号経由で「花見川門」から、武石IC方面からは「大和田門(写真)」から入場します。

クラブハウスは、伝統と歴史の重みを感じさせる雰囲気。クルマを横付けすると、柔和な爺や風のスタッフさんが、にこやかに出迎えてくれます。

チェックインの手続きは、昔ながらの手書き式を継続。プレー後の支払いも、対面式で行います。
この日のプレーフィは、平日ランチ別で17,930円+ロッカーフィ200円+ゴルフ場利用税1,200円=19,220円でした。

ロッカールームの手前には、洗練された雰囲気のゴルフショップが併設されています。

ロッカールームは、会員ロッカーが奥まで威風堂々と立ち並んでいて、ゲストロッカーは入口付近に密集しています。

とはいえ、各ロッカーのスペースは余裕十分。また、洗濯物を持ち帰る専用のビニール袋は、さすがは名門コースという感じの質感です。
いつまでも練習していられる“THE・練習場パラダイス”
準備を整えたら、スタート前の最終調整に向かいます。

同倶楽部は、高麗もしくはベントの2グリーン制を採用。夏場は高麗がメインで、グリーンスピードは特段に速いわけではありませんが、芝目の影響がかなりありました。
また、コンパクションが硬めに仕上げられているため、アプローチのとくにワンバウンド目は、想像以上に弾むと思っていた方が良いと思われます。

練習グリーンは、高麗2面+この日はクローズだったベント2面。キャディさん曰く、ベント使用時はかなりの高速グリーンに仕上げられるそうです。

練習施設の充実ぶりは特筆もので、まずはクラブハウスの目の前に、“打ち放題”のアプローチ練習場が用意されていました。

練習終了後には、使用したボールをピッカーで回収します。

さらには、芝の上から打てる、全長80yardのアプローチ練習場も備えています。

練習施設であるにもかかわらず、“完璧”とも言える芝のコンディションは、ラウンドへの期待感を膨らませてくれます。

しかも、本コースさながらのバンカー付きです。

このアプローチ練習場では、有料の貸出ボールを使用します。とはいえ、ボール料金はかなり良心的で、20球165円でした。

貸出ボールは、鳥の巣箱みたいな箱の中に収められていて、台紙に署名してゲットします。もしもボールケースが無い場合には、ドライビングレンジの手前にある「練習場受付」で手渡してくれます。

1番ホールのティーイングエリア左奥には、全長230yard・全20打席のドライビングレンジが設置されています。

ほぼ全打席でドライバーの使用が可能ですが、左端の2打席は「アイアン打席」、その横の4打席ほどは「ショートティ打席」という制限があります。

筆者的には、ドライビングレンジの後方スペースが広々としているだけで、ぐーんとテンションが上がります。

「アイアン打席」のさらに奥には、バンカーも用意されていました。

その他、日曜・祝日の8:00~10:00には、プロによる無料のワンポイントレッスンも開催されているようです。チャンスがあれば是非!
“空中ハザード”に注意しながら、プロゴルファー気分のラウンドを!
それではティーオフ! この日は、INコースの10番ミドル(高麗グリーン&レギュラーティから404yard)からスタートです。

ティーマークは、後ろからチャンピオン/バック/レギュラー/フロント/ユニバーサル/レディースの6か所で、レギュラーは「青ティ」となります。

ラウンド時は、キャディ付き&“歩き”が基本。乗用カートの用意もあり、2,500円/人で利用できるそうです。
ちなみに今回のキャディさんは、完全にギャルな雰囲気でしたが(笑)、サポート&アドバイスは的確でした!

コース内には“空中ハザード”が巧みに配置されているので、ティーショットは方向性重視が基本となります。

12番ミドル(同337yard)は距離こそ短いものの、大きなバンカーが大量に配置されているので、ここでも方向性重視となります。

14番ロング(同518yard)は、右のバンカーと左の林がプレッシャーをかけてきます。

ナイスショットの後は、綺麗にカットされた“ビクトリーロード(勝手に命名)”を清々しい気分で歩くことができます。

コース管理は隅々まで徹底されていて、さすがは「関東七倶楽部」の一角という感じでした。
また、ラフ/ファーストカット/フェアウェイは明確に差別化されているので、フェアウェイキープの重要性を痛感するかもしれません。

17番ミドル(同389yard)は、なんとしてでもフェアウェイ左サイドをキープしたいところ。

なぜなら右サイドには、サッカーでいうフリーキックの壁のように、木々が立ち並んでいるのです。

そうそう、グリーンまでの残りヤーデージは散水栓に表記されています。上がベント、下が高麗で、いずれもグリーンセンターまでの距離となります。

井上誠一氏が仕掛けた罠に翻弄されつつ、ランチタイムに突入です。

レストランの脇には、同倶楽部の歴史を振り返ることができる、ちょっとした展示スペースが設けられていました。

この日は、Cランチの「かさごのバター焼き 温野菜 ライス付き(1,630円)」をセレクト。健康的で味もまずまずなのですが、メンバーさんの年齢層を考慮してか、全体的にボリュームが物足りない点がやや残念でした。

腹7分目で後半のOUTコースへ。1番ミドル(同394yard)は、バンカーに注意しながら、手前から手前から攻めていきます。

続く2番ミドル(同355yard)は、フェアウェイ中央にある松の右サイドに運べると、セカンドショットが攻めやすくなります。

大きな盆栽風の松の木に風情を感じた3番ショート(同124yard)では、なんと4人全員が1ピン以内にナイスオン! そのうちの2人が見事にバーディパットを沈めました。

やや左ドッグレッグの4番ロング(同490yard)は、フェアウェイが右側半分だけだと思ってティーショット。左サイドは下った先が左傾斜になっているので、セカンドショットで樹木がスタイミーになりがちです。

7番ショート(同180yard)は、大きく分かれて左に高麗グリーン、右にベントグリーンを配置。距離があるだけでなく、ティーイングエリア全体が2つのグリーンの真ん中を向いているので、腕の見せ所と言えるかもしれません。

ちなみに右側のベントグリーンは、砲台グリーンの見本のような形状になっていて、さらに難易度が高まっています。

ズームで拡大してみると、こんな感じ。チャレンジ精神がくすぐられますね!

9番ミドル(同389yard)は、1打ごとにクラブハウスが大きく見えてきます。

というわけで、名門コースならではの充実感のあるラウンドはあっという間に終了。
戦略的かつ美しく整備されたコースや練習施設、キャディ付きの“歩き”というスタイルを継承している「鷹之台カンツリー倶楽部」では、腕前はさておき、ちょっとしたプロゴルファー気分の1日を楽しめるはずです。