ゴルフを愛する皆さん、練習してますか?
今回は青森県・鯵ヶ沢高原の「青森スプリング・ゴルフクラブ」からラウンドレポートをお届けしていきます。
ゴルフ界の王様ことアーノルド・パーマー氏が設計した同クラブは、“津軽富士”とも呼ばれる岩木山の麓に位置し、眼下に広がる日本海や津軽平野を眺めながら絶景ラウンドを楽しむことができます。
また、ボールが自重で沈む「洋芝」や深く粘るラフ、芝目の影響が強く出るベントグリーンなど、ゴルファーのチャレンジ精神を駆り立てる設定も特徴的です。

アメリカンスタイルのカジュアル感+天然温泉の癒し
JR・新青森駅からクルマで約80分、青森空港からも同じく約80分でたどり着く同クラブは、冬には本格的なウインタースポーツを楽しめる「青森スプリングリゾート」内に位置。
2025年のグリーンシーズンは、4月26日(土)~11月3日(月・祝)までという設定です。

プレースタイルは、アメリカンスタイルの18ホールスルー&セルフが基本で、9ホールの「サンセット 0.5R」も設定。
また、岩木山にちなんで命名された「ロックウッド・ホテル&スパ」をベースキャンプとする、宿泊&ラウンドのセットプランも用意されています。

ちなみに岩木山の山頂(1,624m)につながる「長平コース」の登山口も近くにあり、目安となる所要時間は、登りが4時間30分/下りが3時間30分とガイドされていました。

まずは景観を損なわない控えめな案内看板を目印に、緑豊かなワインディングロードを駆け上がっていきます。

そして、空がバーンと広がる駐車場に到着すると、ログハウス調のクラブハウスが見えてきます。

精算は「前払い制」で、プレーフィは平日7,500円/土日祝11,000円+ゴルフ場利用税400円。
プレー枠は限られているものの、ゴルフ系のオンラインサイト(楽天GORA/GDO/じゃらんゴルフ)から予約すると、プレーフィは平日5,500円/土日祝8,800円~となります。

クラブハウスにはロッカーを備えていますが、温浴設備はシャワーのみ。とはいえ、ラウンド後には「ロックウッド・ホテル&スパ」の天然温泉を利用できるので、まったくもってノープロブレムです。

チャレンジ精神をくすぐる案内をちら見しつつ、最終調整へと向かいます。おっと、ドライビングレンジで利用するコインは、レセプションで忘れずにゲットしておきましょう。
攻略のカギとなるグリーンの芝目は、岩木山から日本海に向かって“順目”
クラブハウスの駐車場側には、2面のパッティンググリーン兼アプローチ練習場が用意されています。

さらに歩みを進めると、

大きな空と日本海へと打ち下ろしていく、爽快なドライビングレンジが広がっています。

後ろを振り返れば、“津軽富士”とも呼ばれる岩木山の雄姿を目に映すことができます。

貸出ボールは、1コイン300円で30球。100円硬貨があれば、10球単位で利用することも可能です。

ちなみにラウンドしない時であっても、“打ちっぱなし”として利用可能です。

パッティンググリーンは、スタートホール側にも1面が用意されています。

こちらはこちらで、“ロック”な雰囲気がイイ感じ。そして何よりもロックなのは、ベントながらも強烈な芝目です。

目安となるグリーン速度も案内されていますが、この数値はいったん忘れて、芝目を読む力とタッチを研ぎ澄ませていくことが先決です。

グリーンの芝目は、岩木山から日本海に向かって“順目”。もちろん、その反対側からは“逆目”。強烈な芝目に加え、ポテトチップ型のグリーンも相まって、想像以上に転がったり転がらなかったり、切れたり切れなかったりします。
グリーン周りでは、とにもかくにも岩木山の位置を確認し、芝目を計算に入れながらプレーすることが攻略の第1歩となります。
ゴルフへの探求心をくすぐられるチャレンジングな18ホール
それではティーオフ! 乗用カートは自走式で、カートナビは装着されていません。

フロントウィンドウは、安全対策のため“はめ殺し”となっています。

今回は現地在住&コースを知り尽くした友人とのラウンドだったので、“19.2秒”ほどチラ見しただけでしたが、初めてラウンドする場合には、「キャディーさんの手作りコースガイド」が大きな助けになるでしょう。
そうそう、昨シーズンからOUT⇔INコースが入れ替わっているため、ゴルフ用のスマートウォッチなどを使っている方は、データの確認をお忘れなく。
ちなみに筆者が愛用しているガーミンは、コースの入れ替えに対応していなかったので、OUTスタートながらINスタートに切り替えました。

ピンの位置は、こちらのシートとカートに張り出してあるアルファベットを照らし合わせて確認します。
コース内に点在しているヤード杭とFWマーカーは、すべて「グリーンセンター」までの距離となります。

この日は、OUTコースの1番ミドル(レギュラーティから429yard)からスタート! 緩やかな打ち下ろしの右ドッグレッグになっているので、まずは飛距離を求めずに軽くミートしていきましょう。

セカンドショット付近では、左サイドと奥には絶対に行かないようなクラブ選択&ショットが賢明です。

2番ロング(同468yard)は、ティーショット次第で2オンも狙えますが、ご覧の通り、ティーマークが大きく右を向いていることが多いそうなので要警戒です。

4番ミドル(同361yard)は、緩やかな打ち上げ&右ドッグレッグ。同ゴルフ場は全体的に、ドライバーの着弾地点が登り傾斜ということが多く、さらにランが出にくい洋芝なので、レギュラーティからでも十分に歯応えがあります。

強烈な芝目を特徴とするグリーン上では、最初はかなり戸惑うことになるかもしれません。グリーン周りでは、まずは岩木山の位置を確認し、岩木山から日本海に向かって“順目”であることを計算に入れる必要があります。

5番ミドル(同420yard)は、ドライバーの着弾点が左に傾斜しているので、右サイド狙いがセオリーとなります。

セカンドショット付近からは、龍飛岬(たっぴみさき)や北海道を望むこともできますが、左サイドの池に吸い込まれないように、右サイドから攻めていきます。

フェアウェイの洋芝は、ボールだけでなく、テークバック時にも足が沈みこむので、いかにアジャストしていくかも鍵となります。そして、様々な品種の芝やディープラフが、プレーヤーにそれ相応のテクニックを求めてきます。

7番ミドル(同349yard)は、緩やかな打ち上げの左ドッグレッグ。やや遠回りとなりますが、セオリーどおり右サイドから攻めていきます。

続く8番ショート(同154yard)は、グリーン面が見えないほどの打ち下ろし。左サイドには池、右サイドにはバンカーが待ち受けているので、グリーンセンター狙いが定石となります。

OUTコースの最終9番ミドル(同435yard)では、正面に津軽平野が現れます。今回は稲刈り後だったので薄茶色ですが、稲刈り前にはグリーンの絨毯が広がっているそうです。

セカンドショット付近からは、さらに広く、美しい景色を楽しむことができます。

同ゴルフ場はスループレーが基本ですが、状況次第ではフレキシブルにランチを挟むことも可能です。
アーノルド・パーマー氏にあやかったダイニング、その名も「キングズイン」のテラス席からは、クリークが横切る18番ホールの景色を楽しむことができます。

この日は「カツサンド(1,380円)」を選び、さくっとエネルギーチャージを済ませて、後半のINコースへと挑んでいきます。

10番ミドル(同415yard)は、比較的フェアウェイが広いため、のびのびとスイングしていきましょう。

続く11番ショート(同160yard)は、岩木山から吹き下ろしてくる風あるいは日本海から吹き上げてくる風が、難易度をぐんと高めています。

もうひとつのパー3、15番ショート(同200yard)は、右サイドはNGで左サイドは比較的セーフティですが、左から右への順目がきついため、ピン位置によってはアプローチが難しくなります。

16番ミドル(同366yard)は距離が短いチャンスホールとなる一方、

他のホールと同じく、グリーン周りにはディープラフが待ち受けています。

17番ロング(同494yard)は、フェアウェイが全体的に右に傾斜しているので、左サイドが安全。その一方、フェアウェイにバンカーは無いので、積極的に攻めていきましょう!

最終の18番ミドル(同369yard)は、左サイドが安全ではありますが、勇気をもって、岩木山の中腹あたりを狙っていきたいところ。

なぜなら、グリーンに向かってクリークが大胆に横切っているので、セカンドショットの距離を残したくないからです。

というわけで、最後まで飽きることのない刺激的な18ホールが終了。さらに追加の「サンセット 0.5R」をチョイスすれば、幻想的な風景と洋芝の感触が織りなす、ドラマティックな瞬間と出会えるはずです。

今回の青森トリップでは、合計50ホール(2.5ラウンド+5ホール)に挑み、ゴルフの幅を大きく広げることができました。
大いなる自然の力を体感できる「青森スプリング・ゴルフクラブ」では、ゴルフへの探求心をくすぐられながら、創造性あふれるラウンドが楽しめるはずです。