【ゴルフ場レビュー】越生ゴルフクラブ(ときがわ町)
ゴルフを愛する皆さん、練習してますか?
今回は埼玉県比企郡ときがわ町の「越生ゴルフクラブ」からラウンドレポートをお届けしていきます。
秩父連峰の山々を望む同クラブは、美しい景観や最長630yard(!)という超ロングホールが印象的。2グリーン制を敷くグリーンは、Aグリーンがベント芝、Bグリーンには2024年の夏からバミューダ芝の「ティフ・イーグル」を導入し、猛暑への備えを進めています。
古き良き時代のゴルフライフを連想させる空気感
関越自動車道「坂戸西スマートIC」あるいは「東松山IC」から約25分の位置にある同クラブには、古き良き時代のゴルフライフを連想させる、ゆったりとした空気が流れています。
そして、全長7,015yardの本格的な18ホールは、OUTコースが「平坦でのびのび」、一方のINコースは「男性的でテクニックを要する」と紹介されています。
クラブハウスに横付けすると、人生の酸いも甘いも嚙み分けたであろう男性スタッフさんがすっと歩み寄り、ゴルフバッグなどを粛々と預かってくれました。
レセプションも厳かな雰囲気で、チェックインは手書きのみに対応。この日のプレーフィーは、メンバーさんのご厚意を受けつつ、平日ランチ別で13,120円でした。
また、写真を見てから気が付いたのですが、縁起物でもある「鹿のオブジェ」が柱に飾られていました。
ちなみにレセプション脇のソファスペースには、“紙タバコのみ”という硬派な自動販売機が設置されていました。ゴルフ場でタバコの自販機を見たのは、もしかしたら初めてかもしれません。
ロッカールームはオーソドックスな仕立てで、靴ベラは各ロッカー内に用意されています。
ウォーミングアップ+絶景を眺めて、いざティーオフ!
身支度を整えたら、さっそく練習です。
グリーンは、ベント芝のAグリーンと、バミューダ芝のBグリーンという2種類。この日のBグリーンは、10.0ftと速めの設定でした。
パッティンググリーンは全2面。クラブハウスを出た右手側に「ベント(この日はクローズ)」が設置されていて、
左手側へ少し歩いたところに「バミューダ」があります。ここからは、本コースや美しい木々、はるか遠くには秩父連峰を望むことができます。
ドライビングレンジは、ベントのパッティンググリーンの横を抜けて、少し歩いた先にあります。その道のりは適度なアップダウンもあるので、下半身のウォーミングアップにちょうどいい感じです。
ドライビングレンジは、約80yardの15打席。ボールの貸出はカードホルダーを「ピッ」とかざすスタイルで、料金設定は30球330円でした。
さらにドライビングレンジの左脇を下っていくと……、
バンカー付きのアプローチ練習場が姿を現します。
ここには貸出ボールが無数に転がっているので、とくにこだわりがなければ、自分のボールを持っていく必要はありません。
ウォーミングアップの仕上げは、スタートホールへと向かう通路の上から見える絶景です。天気が良い日はとくに、テンションが自然と上がってくることでしょう。
グリーン周りからのチッピングがスコアメイクの鍵になる
それではティーオフ! この日は「男性的でテクニックを要する」というINコースからスタートです。
ちなみにBグリーン(バミューダ)の方が距離がやや短く、バックティからの全長は、Bグリーンが6,755yard、Aグリーン(ベント)が7,015yardとなっています。
10番ロング(Bグリーン・レギュラーティから508yard)は、セカンドショット以降がやや打ち下ろしになっていて、ロングヒッターであれば十分に2オンが可能です。
11番ショート(同126yard)は、距離こそ短いものの、グリーン周りの池とバンカーが行く手を阻みます。
13番ミドル(同361yard)は、打ち下ろしのブラインドホール。見えない先のフェアウェイは意外と狭いので、距離を欲張らず、コントロール重視で攻めた方が無難です。
15番ロング(同594yard)は、多くのゴルファーの挑戦心をくすぐりつつ、その多くを返り討ちにしてきた名物ホールとなります。
ティーショット&セカンドショットともに、狙い目はやや左サイドです。
飛ばし屋がティーショットを右サイドに外すと、祠(ほこら)がある窪地に落ちてしまいます。祠を囲んだ丸いエリアでは救済措置を受けることができるものの、戦略的にも気分的にも避けておきたいところです。
サードショット付近は、グリーン面が見えない強烈な打ち上げとなります。また、右サイドには木々がせり出しているので、セカンドショットはとにかく左サイドへと運んでおきたいところです。
乗用カートはリモコン式。カートナビでは、グリーンやバンカーまでの距離、攻略ガイドなどを確認することができます。
グリーンはどれも小粒なので、パーオン率は下がる傾向にあり、グリーン周りからのチッピングがスコアメイクの鍵になります。
また、ほとんどのグリーンは“受けグリーン”かつ奥から速いため、とにかく手前から手前から攻めていくことが鉄則です。
Bグリーンのバミューダ芝は、アメリカ東部のフロリダなどで用いられている品種で、ベントと高麗の中間のような印象です。
高麗と同様、芝目をしっかりと読んでいく必要があり、たとえば上りであっても順目なら思いのほか転がります。また、カップ際では芝目に持っていかれて、くいっと切れることがあります。
この日は残念ながら、バミューダ芝のタッチを掴めないまま、ランチタイムに突入です。
チョイスしたのは、「本マグロステーキ膳(1,580円/ランチ付きプランの場合+330円)」。こちらは“ど真ん中からカップイン”した気分で、美味しくいただくことができました。
「平坦でのびのび」という後半のOUTコースは、1番ロング(同528yard)からスタートです。
2番ショート(同152yard)は、嫌な予感がよぎる谷越え。グリーン手前の傾斜にショートしてしまうと、かなり下の方まで転がり落ちるリスクがあります。
5番ショート(同134yard)では、ティーマークをチェックしてクラブを2~3本持ちつつ、後方のティーイングエリアへと歩いて向かいます。
窪地の下にあるBグリーンの場合、グリーンをオーバーすると前足下がりの難しいアプローチが残ってしまうので、ピン位置にかかわらず、手前から攻めていく方が無難でしょう。
6番ミドル(同316yard)は距離が短い一方、セカンドショット付近からはグリーン面がまったく見えません。逆に言えば、腕の見せ所になるかもしれません。
9番ロング(同527yard)は、ティーショットを左に落とすとリカバリーが困難になるものの、セカンドショット以降は意外と広々としているので、強気で攻めてみるのも悪くないでしょう。
超ロングホールや珍しいバミューダ芝、そして何より美しい景観を楽しめる「越生ゴルフクラブ」では、「ゴルフをやっていて良かった」と思える1日を過ごせるはずです。