【はじめてのゴルフ観戦ガイド】 事前準備~当日のマナー&攻略法
ゴルフのプロツアーを観戦してみたいけれど、「観戦マナーがよく分からない」「どんな服装で行けばいいの?」などといった不安から、二の足を踏んでしまうこともあるかもしれません。
その一方、ゴルフ観戦は他のスポーツ観戦と比べて、非常にコストパフォーマンスが高い点を魅力のひとつとします。
たとえばサッカーや格闘技などで選手を間近で見たいと思ったら、とんでもない額のチケットを入手する必要がありますが、ゴルフは5,000円も出せば、文字どおり目の前でプロゴルファーの妙技を堪能できます。
そこで今回は『はじめてのゴルフ観戦ガイド』と題し、事前準備~当日のマナー&攻略法~後日の楽しみまで、知っておきたいコツを丸ごと紹介していきます。
昔とは色々と変わっている“令和のゴルフ観戦”
と、知ったか風に前振りしてみましたが、筆者がゴルフ観戦するのは、実のところ“超”が何個も付くほど久しぶり。最後に観に行ったのは、あの宮里藍選手が日本ツアーに参戦していた頃なので、なんと約20年もの時が経っています。
というわけで今回は、筆者があらためて学んだ“令和のゴルフ観戦”のコツなどを、皆さんと一緒にチェックしていきたいと思います。
観戦ターゲットに選んだのは、国内男子ツアーの頂点を決める『日本オープン 2024(10/15~18)』です。舞台となった「東京ゴルフ倶楽部(埼玉県狭山市)」は関東有数の名門コースで、筆者と似たような感じ……ではないですが、2001年以来の久しぶりの開催でした。
事前準備:何はともあれチケットを入手
まずは日本ゴルフツアー機構(JGTO)の公式サイトから、チケット情報をチェックしました。
『日本オープン』の前売り券は、予選ラウンドが4,000円、決勝ラウンドが6,000円。当日券は、それぞれ+1,000円でした。
間もなく開催されるPGAツアーの『ZOZOチャンピオンシップ(10/24~27)』はごく一部の例外として、日本国内のトーナメントは全体的にコストパフォーマンスが高いと言えます。
たとえば、筆者が次に狙っている『伊藤園レディース(11/8~11/10)』は、予選1日目の当日券が2,000円、同じく2日目が3,000円、最終日が4,000円。また、前売り券は全日の3枚つづりで、4,800円というお得な設定です。
また、大会チケットは開催の2か月ほど前から販売されますが、前売り券は「前日でも購入できる」ことがほとんど。天気予報とにらめっこしながらスケジュールを組める、フレキシブルさも魅力のひとつです。
事前準備:会場までのアクセスをシミュレーション
会場までのアクセスは、自家用車もしくは電車を選ぶことになりますが、いずれにしてもコース周辺の指定駐車場や最寄り駅から無料のギャラリーバスを利用することになります。
周辺道路は混雑が予想されるので、自家用車で向かう際は、いつものラウンド以上に余裕をもって出発した方が、色々とスムーズかもしれません。
また、ギャラリーバスから降りてコースに向かう際は、発着所の場所を覚えておくようにしましょう。
事前準備:ドレスコードはある? オススメの服装は
プロツアーは格式高い名門コースで開催されることが多いので、観戦時の「ドレスコード」が気になるかもしれません。
ですが、普段のラウンドとは異なり、ゴルフ観戦にはジャケットや襟付きシャツといったドレスコードはありません。
服装選びで重要なのは、動きやすさや温度調整のしやすさです。ゴルフ観戦では“ウォーキング”が付きものなので、スポーツウェアやスニーカーを選ぶとベターでしょう。
また、起伏のある林の中を歩くことも少なくないので、足元はスパイクレスのゴルフシューズやトレラン用シューズがオススメです。
ちなみに筆者は、『日本オープン』の観戦日に1万6,000歩以上も歩きました。ゴルフ観戦の魅力は、日頃の運動不足解消にもありますね。
その他、紫外線対策や万が一の“被弾”時の衝撃を緩和するため、キャップやハットを被っていく方がいいでしょう。こう見ていくと、ラウンド時とほぼ同じ服装で良さそうです。
事前準備:持っていくと便利なアイテムは?
ゴルフ観戦は“ライトなハイキング”ぐらいに思っておくと、より快適に楽しめるかもしれません。
持っていくと便利なアイテムは、必須のマイボトルをはじめ、汗拭き用のタオル、日焼け止め&虫よけ、500円までのお菓子(表現が昭和……、汗)などなど。選手のサインが欲しい場合は、マジックペンも用意しておきましょう。
また、会場ではパンフレットを貰ったり、大会グッズを買ったりすると思われるので、容量に余裕があるデイバッグを背負っていくと、ひとまとめにできるので後々で重宝します。
週末の観戦や人気選手を追っていく場合には、椅子代わりにもなるコンパクトな脚立を持っていけば、後方からでもクリアな視界を確保できそうです。
当日の攻略法:自分なりの観戦スタイルをマネジメント!
ゴルフ観戦の魅力は、自分の“席”が決まっている多くのスポーツ観戦とは異なり、楽しみ方の幅が広くて自由な点にもあります。
たとえば、特定のスポットで色々な選手のプレーを見たり、お目当ての選手を追いかけたり、それらをミックスしたり……、思い思いのスタイルで1日を満喫することができます。
コースに到着したら、コースガイドや現在地をチェックしつつ、自分なりの“必勝ルート”をマネジメントしていきます。
ペアリングは、前日の夕方ぐらいから公式サイトなどでも公開されているので、お目当ての選手の「スタート時間」を事前にチェックしておくのがオススメです。
また、大会の公式アプリからは、スコア速報や選手の位置情報などを確認できました。
ちなみに『日本オープン』での筆者は、スイングのお手本としている石川遼選手、欧州ツアーで活躍中の中島啓太選手、ツアー屈指のバーディ奪取率を誇る清水大成選手のパーティを中心に、色々な選手をチェックしてみました。
ひとつの組に密着していると、選手ごとのルーティンやマネジメントの違いも楽しめます。石川選手は徹底して刻む戦略で、ドライバーは数えるほどしか握りませんでした。
また、ホール間の移動やティーイングエリアなどでは、選手とキャディの掛け合いや、談笑する選手たちの話もなんとなく耳に入ってきます。
各ホールのグリーン周りや18番ホールに設置されるスタンド席も、オススメの観戦スポットです。ここでは足を休めつつ、より多くの選手からグリーン周りのテクニックを学ぶことができます。
18番ホールは、最終日のとくに後半は混み合うと思うので、それ以外の時間帯が狙い目です。
当日のマナー:「音を出さない」&「動かない」ことを徹底!
自由なスタイルで楽しめるゴルフ観戦ですが、もちろんギャラリーとして守らなくてはいけないルール&マナーもあります。
選手がプレーに入る際やプレー中は、とにかく「音を出さない」&「動かない」ことを徹底することが、最低限のマナーです。
口にチャックをするのはもちろん、ビニール袋や紙類が発するガサガサという音にも要注意です。
もちろん、素晴らしいプレーには歓声や拍手で称えて、選手が最高のパフォーマンスを発揮できる雰囲気を作っていきましょう。
また、お目当ての選手だけでなく、すべての選手に敬意と配慮をもってプレーを見守ることがギャラリーの嗜みです。
当日のマナー:撮影OKの場合でも“無音アプリ”を利用
とくに注意したいのは、スマホの取り扱いです。近年では男子ツアーを中心に、撮影OKとする大会も増えていますが、“撮影音が鳴らない”無音アプリを利用した方法に限定されています。もちろん、着信音や会話などはもってのほかです。
観戦した『日本オープン』では、残念ながらスマホのマナーが徹底されておらず、「カシャッ」とか「ピコン」とかいう操作音があちこちで鳴っていました。「まだプレー前だから音がしてもいいでしょ……」というのは、身勝手な考えです。
こういった行為が続くと、スマホ全面禁止という処置をとらざるを得ない事態になってしまうかもしれません。そんなことにならないように、節度を持った行動を心掛けましょう。
当日の攻略法:ついつい財布のひもが緩むオフィシャルショップも
ゴルフ観戦では、コース外の楽しみも盛りだくさんです。
オフィシャルショップでは、“今ここでしか手に入らないグッズ”が豊富に用意されているので、ついつい財布のひもが緩んでしまうかもしれません。
筆者も思いがけず散財しましたが、まったく後悔していません(笑)。
想像以上に充実していたのは、グルメコーナーです。食べ物のメニューは目移りするほど豊富で、アルコール類も用意されていました。
テーブル&チェアも設置されていますが、ギャラリーが多い週末は、レジャーシートや折りたたみチェアがあると快適かもしれません。
当日の攻略法:ずっと見ていられる練習場
隠れた穴場スポットは、ドライビングレンジ&パッティンググリーンです。
ドライビングレンジでは、選手個々のスイングや弾道の違いに加え、球筋の打ち分けや練習器具などにも注目です。
個人的には、「ここに1日いても飽きないかも」と思うほど、楽しく学べる場所でした。
そして、ホールアウト&練習終了後は、お目当ての選手にサインや記念写真をお願いする、唯一のチャンスでもあります。
後日の楽しみ:DVD録画のセットを忘れずに
他のスポーツ観戦と同じく、1粒で2度おいしい的な、自宅に帰ってからの楽しみも忘れずに用意しておきましょう。
そう、テレビ中継を録画しておいて、あらためてトーナメント全体を見返すのです。
テレビ中継には、選手の表情やプロゴルファーによるショット解説、見逃したかもしれないスーパープレーなど、現地とはまた違う面白さが色々とあります。
また、画面の片隅に自分が映っていることもあるかもしれません。
ちなみにDAZNなどの有料配信サービスに加入していれば、録画の手間はないものの、配信期間に制限があり、ダウンロードも不可なので“永久保存版”にすることはできません。
美しいコースやショットを目にしながら、日頃の運動不足まで解消できるゴルフ観戦。ギャラリーとしてのルール&マナーを厳守しつつ、プロゴルファーの妙技やその場でしか味わえない臨場感を満喫してみてはいかがでしょうか。