なぜゴルフに目土が必要なのか?知らないと恥ずかしい目土のマナーについて
「なんでゴルフには目土が必要なの?」
「目土ってどうすればいいの?」
ゴルファーにとって、目土は最低限のマナーですが、やり方を知らない方も多いのでは?
この機会に目土の基礎知識や正しいやり方を覚えて「できるゴルファー」の仲間入りを果たしましょう!
ゴルフの目土とは?
目土とは、ディボット跡に入れる土や砂のことで、「めつち」と読みます。
目土には水はけがよい土や砂が使われ、現在は「川砂」がメインで使われています。
目土は、芝の手入れには欠かせません。
そのためゴルフ場だけでなく、一般家庭から大型施設にいたるまで、目土は幅広く使われています。
ちなみに、ディボット跡に土を入れる行為を「目土をする」とか「目土を入れる」と言います。
ディボット跡とは?
先ほど「目土はディボット跡に入れる土や砂」という説明をしました。
ここで、ディボット跡について軽く説明しておくことにしましょう。
ディボット跡とは、アイアンやウェッジなどを打った際にできる、芝が削れた跡のこと。
ゴルフは芝の上にあるボールを打つスポーツのため、不意に芝が削れたりえぐれたりすることがあるのです。
なお、ゴルフでは「自分が作ったディボット跡は自分で直すべき」という暗黙のルールがあり、ゴルフを楽しむうえでの最低限のマナーです。
目土ができない、またはディボット跡を作っても放置するゴルファーは「マナーができていない人」というレッテルが貼られる可能性があるので、注意しましょう。
目土の効果
目土には、おもに次の効果があります。
表面の凸凹を直す
地温を保ち芝の生育を促す
新芽や茎を保護する
微生物の働きを高める
芝の密度を向上する
土壌を調整する
エアレーション時の根の乾燥を防ぐ
目土には、さまざまな効果があることがおわかりいただけたのではないでしょうか?
よくわからない単語がたくさん出てきて戸惑った方もいると思います。
ですが、とりあえずは「目土は芝の生育に欠かせないものなんだな」ということを理解できていればゴルファーとして十分です。
目土が必要な2つの理由
ゴルフにおいて、目土が必要な理由は2つあります。
ゴルフ場の芝生を修復・保護するため
後続プレーヤーへの配慮のため
それぞれ解説しますね。
【理由①】ゴルフ場の芝を修復・保護するため
目土の一番の目的は、アイアンやウェッジショットでできてしまったディボット跡を埋め、芝生を早期に修復することです。
芝生が削り取られた箇所は、芝の根が切れてしまった状態。
そのまま放置してしまうと、ディボット跡を中心に芝が枯れてしまいます。
そこで目土を入れておくと、その土の中に芝が根を張ることができ、芝が再生するという仕組みです。
人間はケガをしたとき、絆創膏を貼りますよね?
目土も芝生にとっての絆創膏みたいなもので、ケガをした場所に入れてあげることで、芝の修復が早くなります。
【理由②】後続プレーヤーへの配慮のため
放置されたディボット跡にボールが止まると、後続プレーヤーが打ちにくくなります。
ですので、目土をして平らにしてあげることが、後続組への配慮になります。
あなたは、ドライバーで会心のショットをフェアウェイに打ったとしましょう。
しかし、ボールがある場所に辿り着いたとき、ディボット跡にボールが止まっていたらどう感じるでしょうか?
「運が悪いな…」と思う人もいれば「ディボット跡ぐらい直しておけよ!」と憤慨する人もいるでしょう。
自分がされたら嫌なことは、他人にもしてはいけません。
ゴルフに限らず、人間としてのマナーです。
ゴルファー全員が気持ちよくプレーできるよう、配慮しましょう。
目土の持ち運び方
目土の持ち運び方には、次の2パターンがあります。
カートに設置された目土袋を使う
マイ目土袋で持ち運ぶ
カートに設置された目土袋を使う
カートが設置されたゴルフ場では、多くの場合、カートに1つか2つくらいバッグタイプの目土袋が設置されているので、それを使いましょう。
ただし、4人プレーだと数が足りないので、できれば「マイ目土袋」を用意しておくとよいでしょう。
マイ目土袋で持ち運ぶ
自分で目土袋を用意して持ち運べば、同伴プレーヤーに気兼ねすることなく、好きなタイミングで目土入れを行うことができます。
さまざまな種類の目土袋が市販されているので、気になる方はチェックしてみてください。
どのような種類があるかは、このあとご紹介します。
マイ目土袋を持っておけば、「あの人はマナーがいい人だな」と思われるかもしれませんよ。
目土袋の種類
目土袋には、大きく分けて次の2種類があります。
バッグタイプ
ボトルタイプ
それぞれの特徴や、メリット・デメリットを考慮して選んでください。
バッグタイプ
バッグタイプとは、取っ手が付いた小型のポーチのような形をした目土袋です。
多くの場合、目土をすくうためのスコップがセットになっています。
バッグタイプは、まとまった量の目土を持ち運べるため、補充の頻度が少ないというメリットがあります。
使う量によりますが、補充の頻度はだいたい2~3ホールで済むでしょう。
コース内に置き忘れたり、付属のスコップを落としたりしないよう注意してください。
ボトルタイプ
ボトルタイプとは、水筒のような形をした目土袋です。
筒の中から土を流し入れるようにして目土入れを行うため、スコップを使う必要がありません。
カラビナが付いているタイプが多く、ベルトやセルフバッグに取り付けておけば、持ち運びのときに邪魔になりにくいというメリットがあります。
小ぶりで持ち運びしやすい反面、中に入れられる土の量が少なく、補充に手間がかかる点はデメリットかもしれません。
目土のやり方と手順
目土をしたことがない人に向けて、目土のやり方と手順を解説します。
とはいえ、とても簡単にできますので、ぜひ次のラウンドから試してみてください。
【手順①】目土袋に目土を補充する
スタート前に、目土袋に目土を補充しておきましょう。
目土は、ティーイングエリア周辺に設置してあるケースがほとんどです。もしわからなければ、マスター室に確認しましょう。
なお、カートに目土袋が備え付けられている場合は、あらかじめ目土が満タンに入っていると思います。
念のため、スタート前に確認しておけばOKです。
【手順②】ディボット跡に目土を入れる
ショット時にディボット跡ができたら、目土を入れてあげましょう。
バッグタイプの場合は、スコップで目土をすくい、凹み全体を覆いかぶせるようにたっぷりと目土を入れます。
このとき、盛り上がりができるくらい、多めに入れてあげるのがポイントです。
目土の量が少ないと、芝が根を張るスペースが少なくなってしまうからです。
【手順③】足で平らにならす
ディボット跡に目土を入れ終わったら、足で目土を踏み固めます。
ここで注意すべき点は、土をかならず平らにならしておくことです。
土が盛り上がったまま放置すると、後続組のプレーの妨げになるだけでなく、芝刈り機の故障の原因にもつながるからです。
目土を入れたあとは、足で平らにならす作業を忘れないようにしてください。
他人のディボット跡も目土をしてOK?
「他人が作ったディボット跡に気づいたら目土をしてもいいの?」と疑問を感じた人がいるかもしれません。
結論は「ぜひやりましょう」です。
個人的な印象ですが、セルフプレーの場合、目土を積極的に行っている人は現状「少数派」です。
残念ながら、多くのゴルファーが自分のプレーに必死で、目土を行っていません。
そのため、多くのゴルフ場で、ディボット跡がそのまま放置されています。
だからといって、他人のディボット跡を見て見ぬふりをしてよい理由にはなりません。
「ゴルフ場を大切にする」という意味では、誰が作ったディボット跡であるかは関係ないからです。
もちろん、目土はスロープレーにならない程度に、自分のプレーに余裕があるときで大丈夫です。
たとえば、セカンドショットの待ち時間に目土入れをすると、時間をつぶせるだけでなく気持ちを落ち着かせることもできるのでおすすめですよ。
目土に関するよくある質問
目土に関するよくある質問をまとめてみました。
とくに初心者の方の場合は「こんなときはどうするの?」というケースがあると思うので、参考にしてください。
目土はいつ行えばいいの?
目土は、ディボット跡ができた直後に行いましょう。
できるだけ早く目土を入れてあげることで、そのぶん早く芝が修復できるからです。
反対に、放置時間が長くなるほど、芝の再生は遅くなってしまいます。
「あとで誰かがやってくれるだろう」と思わず、ディボット跡を作ってしまったらすぐに目土を入れましょう。
補充用の目土はどこに置いてある?
ほとんどのゴルフ場では、各ホールのティーイングエリアに設置してあります。
補充用の目土は、大きな入れ物に山のように積んであるので、すぐに気付くはずです。
なお、ホールの途中には置いていないので、目土が減っていたらかならずティーイングエリアで補充するのを忘れないようにしてください。
削った芝はもとに戻すべき?
塊になった芝であれば、もとの場所に戻しておきましょう。
反対に、バラバラになってしまった場合は、無理にかき集める必要はありません。
後続組のプレーの邪魔になる可能性は低いですし、集めているとスロープレーになりかねないからです。
プロゴルファーが目土をしない理由は?
ゴルフ中継を見ていると、プレーヤーやキャディが目土をしている姿をあまり見かけません。
プロが目土をしないのは、目土を入れるとコース難易度が変わってしまい、公平性が失われてしまうからという理由があるそうです。
そのため、すべての選手がホールアウトしたあとに、コース管理者が一斉に目土を入れているのだとか。大変な作業ですね。
僕たちアマチュアの場合は、競技ではないので、ディボット跡ができたらすぐに目土を入れてくださいね
まとめ
今回は、ゴルフの目土の基礎知識や、目土を入れる手順を解説しました。
大事なことは「ゴルフ場はみんなで管理している」という意識を持つことです。
来場者全員がコースを大切に扱えば、ずっときれいな状態でプレーを楽しむことができます。
これからも末永くゴルフを楽しみたいなら、ぜひ目土からはじめてみてください。