高麗グリーンとベントグリーンの違いとは?攻略法を解説!
「高麗グリーンとベントグリーンの違いって何だろう?」
「それぞれ打ち方を変えたほうがいいのかな?」
ゴルフコースではさまざまな芝生の種類が使われていますが、日本ではとくに「高麗グリーン」と「ベントグリーン」の2種類が一般的です。
これら2つのグリーンは、芝生の種類や特徴、管理方法が異なり、気候やゴルフのプレースタイルにも大きく影響します。
そこで今回は、高麗グリーンとベントグリーンの特徴や違いについて詳しく解説します!
高麗グリーンとベントグリーンの違いとは?
高麗グリーンとベントグリーンには、それぞれどのような特徴の違いがあるのでしょうか?
それぞれの特徴を理解しておくことがグリーンを攻略するカギとなりますので、ぜひおさえておきましょう。
高麗グリーンの特徴
高麗グリーンとは、高麗芝(コウライシバ)と呼ばれる暖地型の芝生を使用したグリーンのことです。
高麗芝は高温多湿の気候に強く、とくに夏場になると鮮やかな緑を保つことができるため、日本の気候に適した芝とされています。
また、強い日差しや高温に対して耐性があり、管理が比較的簡単な点も特長です。
芝の葉は幅広く、やや硬いのが特徴。
表面には厚みがあり、ボールが転がりにくい傾向があります。
このため、グリーン上でのボールのスピードは遅く、パッティングでは強めのタッチが必要です。
また、芝目がはっきりしていることから、ボールの転がりに影響を与えやすく、芝目の読みが重要なポイントとなります。
高麗芝は日本国内の多くのゴルフ場で採用されており、とくに夏場に強さを発揮しますが、一方で冬場になると芝が休眠に入り、茶色く枯れたような外観になるのが特徴です。
ベントグリーンの特徴
ベントグリーンとは、ベント芝(ベントグラス)という寒地型芝生が使用されたグリーンのことです。
ベント芝は比較的涼しい気候に適応しており、湿度の低い環境でも成長できます。
そのため、アメリカやヨーロッパのゴルフ場でも多く採用される芝として有名です。
日本国内でも、涼しい地域や競技志向のゴルフ場でよく見られます。
ベント芝は密度が高く、葉が細いのが特徴。
葉の表面は滑らかで、ボールの転がりがスムーズで速いという傾向があります。
高麗芝に比べると芝目の影響が少なく、まっすぐにボールを転がしやすいため、狙ったところに打ち出せれば大きなミスにはなりません。
なお、プロのトーナメントでも多く使用されている芝としても有名です。
ただし、ベント芝は高温多湿に弱いため、日本の夏には冷却システムや頻繁な散水が必要となり、管理に手間がかかる点がデメリットといえるでしょう。
冬場や春秋の気温が安定している時期には最適ですが、夏場のメンテナンスにはコストがかかります。
なぜ日本には高麗グリーンとベントグリーンの2種類があるのか
そもそもなぜ日本には高麗グリーンとベントグリーンの2種類のグリーンが存在するのでしょうか?
理由として、気候条件とコース設計が関係しています。
日本は四季がはっきりしており、夏は高温多湿、冬は低温乾燥といった気候の変化が激しいのが特徴。
そのため、異なる季節に適応できる芝生が必要になったというわけです。
とくに夏場になると35度を超える日が多く、湿度も高いため、高温に耐性がある高麗芝が多くのゴルフ場で採用されています。
高麗芝は暑さや日差しに強く、繁殖力も高いため、夏場でも緑の美しさを保つことが可能です。
とはいえ、冬になると高麗芝は休眠状態に入り、茶色く変色するため、冬季のグリーンを美しく保つことは難しくなります。
そこで登場したのが、ベントグリーンです。
ベントグリーンは寒冷地に適応した芝生で、温度や湿度の変化に敏感なものの、寒冷な環境下では美しい緑色を保つことができ、冬場でも休眠しにくい特性があります。
そのため、温暖な地域では高麗グリーンが、競技志向のゴルフ場や寒冷地ではベントグリーンが選ばれるというわけです。
高麗グリーンとベントグリーンの攻略法
高麗グリーンとベントグリーンでは、芝生の性質が異なります。
そのため、それぞれの特徴を理解し、適した攻略法を身につけることが大切です。
高麗グリーンの攻略法
高麗グリーンは、芝目がはっきりしており、ボールの転がりに影響を受けやすいため、芝目の読みがとても重要です。
高麗芝はボールが転がりにくいので、基本的にパッティングの際には強めに打つことが基本となります。
とくに、逆目(芝生がボールの進行方向と反対に生えているケース)はボールが止まりやすくなるため、しっかりとしたタッチで打つことを心がけましょう。
また、高麗グリーンでは、芝目をしっかりと見極め、目に沿ってボールを転がすことで、安定したパッティングが可能になります。
グリーンの芝目や傾斜を読みながら、ボールのスピードを調整し、強めのパッティングを心がけるとよいでしょう。
ベントグリーンの攻略法
ベントグリーンは芝目による影響が少なく、ボールがスムーズに転がるため、正確なラインを狙いやすいのが特徴です。
ボールの転がるスピードが速いため、高麗芝とは反対に軽めのパットが基本です。
ポイントとして、ボールのスピードをしっかりとコントロールすることをおさえておきましょう。
ベントグリーンでは、芝目の影響が少ないため、グリーンの傾斜やラインをしっかりと読みます。
そのうえで、正確なタッチでパッティングすることが重要です。
ボールが滑らかに転がる特性を活かし、正確なラインと適切なスピードで狙うことで、より精度の高いパッティングが可能になります。
高麗グリーンとベントグリーンに適したパター
高麗グリーンとベントグリーンでは、芝の転がり具合が異なるため、それぞれに適したパターが存在します。
グリーンの種類に合わせて適したパターを選ぶことで、パッティングの精度が向上します。
高麗グリーンに適したパター
高麗グリーンでは、ボールが転がりにくく芝目の影響が強いため、重量のあるマレット型パターが適しているでしょう。
マレット型パターはヘッドが重く、しっかりとしたタッチでボールを転がすことができます。
そのため、逆目の影響を受けやすい高麗グリーンでも安定したパッティングが可能になるのです。
また、マレット型パターは慣性が強いため、目の方向に負けない安定感があり、ラインを正確に狙いやすい点もメリットです。
芝目に沿ってボールを打ち出すことが難しい高麗グリーンでは、マレット型の重みを活かし、しっかりとボールを転がすことを心がけてください。
ベントグリーンに適したパター
速めのベントグリーンでは、芝目が少なくボールがスムーズに転がるため、軽量で繊細なタッチが得られるブレード型パターが適しているでしょう。
ブレード型は、微妙な力加減がしやすく、速いグリーンでも正確なタッチを実現できるからです。
ベントグリーンは転がりが速いため、ブレード型の繊細なタッチを活かしながら、ボールのスピードをしっかりとコントロールする点が重要です。
滑らかな芝面に合わせ、正確なラインを読みつつ、軽いタッチでボールを転がすことで、ベントグリーンでのパッティングの精度を高めることができます。
とはいえ、通常営業のベントグリーンは8~9フィート前後と遅めのため、この場合はマレット型パターの使用を検討しても大丈夫です。
高麗グリーンとベントグリーンの練習方法
高麗グリーンとベントグリーンでは芝の特性が異なるため、練習方法もそれぞれに合わせたものが必要になります。
高麗グリーンの練習方法
先述した通り、高麗グリーンは芝目がはっきりしていてボールが転がりにくいため、強めのタッチで打つことが重要です。
練習時には、目に沿ったパットと逆目のパットの両方を練習しましょう。
逆目では特にボールが止まりやすいため、強めの打ち方を身につけると役立ちます。
さらに芝目を読むテクニックを鍛えるために、異なる方向からラインを確認し、順目と逆目を見極められるようになることも重要です。
ベントグリーンの練習方法
ベントグリーンでは、芝目がほとんど影響しないため、繊細なタッチとスピードコントロールに重きをおいて練習しましょう。
速いグリーンでもボールを意図したスピードで止める感覚を養うために、タッチをあわせるパッティング練習を中心に行います。
さらに、ラインを読む練習も重要です。
ラインを正確に読めるようになることで、タッチが合い、正確なパッティングが可能になります。
高麗グリーンとベントグリーンの管理方法
高麗グリーンとベントグリーンは、それぞれ異なる環境条件に適応する芝生であるため、管理方法も異なります。
適切な管理を行うことで、芝の健康と美しさを保ち、快適なプレー環境が整えられるのです。
高麗グリーンの管理方法
高麗グリーンの管理は比較的容易で、特別な冷却システムや頻繁な散水は必要ありません。
夏場の高温に耐性があるため、日本の温暖な気候でも美しい緑を維持することができます。
一般的には、刈高をやや高めに設定し、厚みのある芝面を保つように管理されます。
冬場には高麗芝が休眠状態に入るため、芝が茶色くなり、プレー環境に影響を与えることがあります。
この場合、芝の色を保つために緑化剤が散布されることがあります。
ちなみに、高麗芝は成長力が強いため、定期的な芝刈りが必要です。
ベントグリーンの管理方法
ベントグリーンはデリケートな管理が必要で、特に夏の高温対策が重要です。
冷却システムや頻繁な散水が欠かせず、芝の健康を維持するために定期的なエアレーションや施肥が行われます。
また、刈高は低く設定され、密度の高い滑らかな芝面が保たれるように調整されます。
ベントグリーンは温度や湿度、土壌の栄養分に敏感であるため、芝の状況を定期的に観察し、きめ細かい管理が求められます。
適切な管理によって、滑らかで速いグリーンが維持され、プロトーナメントにも対応できる品質が確保されます。
高麗グリーンとベントグリーンの違いまとめ
高麗グリーンとベントグリーンでは、それぞれ特徴や攻略方法が異なります。
しかしその違いが、プレースタイルや楽しみ方を幅広くしてくれているともいえるでしょう。
それぞれのグリーンの特性を理解し、適した攻略法やパターを使うことで、より良いプレーが期待できます。