ドライバーは練習場ではうまくいくのに、いざコースに出るとミスショットばかりでうまく当たらないという方も多いのではないでしょうか。
ティーショットで飛距離を出したいのに、ドライバーだけが空を切ったり、右や左に大きく曲がってしまったりと悩みもさまざまです。
この記事では、ドライバーが当たらない原因と、その対策や練習方法について解説していきます。
よくある「ドライバーが当たらない」悩みと原因

どんなミスが起きやすいのでしょうか?ここでは代表的なミスショットを紹介します。
スライス:右へ大きく曲がってしまう
ドライバーで最も多い悩みが「スライス」です。ボールが右へ大きく曲がってしまい、飛距離が出ないだけでなく、OBになってしまうケースも多いです。次のショットが打てる位置にすら行かないことも多く、スコアにも大きなダメージを与えてしまいます。
原因はフェースが開いている、アウトサイドインになっているなどがあります。
チョロ:ボールが数メートルしか飛ばない
力んでスイングしたのに、ボールが地面を転がってしまうなどは「チョロ」と呼ばれるミスで、インパクトがボールの下ではなく、上や手前に当たってしまうことで起こります。
当たらないと感じるのはこのパターンも多いのではないでしょうか?
ティーショットで数メートルしか進まず、次のショットも長い距離を残してしまいます。
原因として力みすぎ、伸び上がりなど本来のスイングができてないことが原因になります。
テンプラ:空高く上がって距離が出ない
ボールは真上にフワッと上がるだけで距離が出ない「テンプラ」と呼ばれる現象で、フェースの上側(クラウン)に当たることで起こります。飛距離は出ず、風に流されて思わぬ方向に落ちてしまうこともあります。
原因としてティーが高すぎる、軌道がドライバーは下からが望ましいが上からになっているなどがあります。
チーピン:左に強烈に飛ばしてしまう
左に出てさらにそこから左に曲がるので、スライス同様にOBになりやすいミスです。弾道が低めで、勢いがあります。1度このミスがドライバーで出ると、そのあとのスイングでも不安が残ってしまいやすくなります。
原因は、フェースが被っていることや、インサイドアウトが強すぎる、手打ちになっているなどがあります。
ドライバーが当たらない主な原因

ドライバーショットが安定しないのには、いくつかの共通した原因があります。ここでは、特に多くのゴルファーが陥りやすい5つのポイントに絞って解説します。
アドレスの姿勢が崩れている
ドライバーを打つ前に猫背になっていたり、体が前のめりすぎたりすると、正しい軌道でスイングすることが難しくなります。
肩や足の向きがズレていると、フェースの向きも不安定になります。まずは毎回同じ姿勢をとることを意識しましょう。
また、ゴルフ場ではアドレスの際に右を向きやすい傾向にあります。狙っている方向とあっているかも確認しましょう。
力みすぎ・振り急ぎ
「遠くに飛ばしたい」という気持ちが強くなると、体に余計な力が入りがちです。腕だけで振ろうとしてスイングが速くなり、ミート率が大きく低下します。
特にドライバーは長くて重いため、リズムが乱れるとクラブが暴れやすくなります。リラックスした状態で、一定のテンポを保つことが重要です。
スイング軌道のズレ
クラブが正しい軌道で振れていないと、スライスやフックの原因になります。
アウトサイド・イン軌道になっている人はスライスが出やすく、逆にインサイド・アウトに極端に振ってしまうとフックやプッシュアウトが出やすくなります。
自分の軌道を客観的に確認するには、練習場でビデオ撮影するのも有効です。
ボールの位置が合っていない
ドライバーでは、ボールは左足かかとの延長線上に置くのが基本です。
これより右に置くとクラブが下がりきる前に当たってしまい、チョロやスライスの原因になります。逆に左に置きすぎると、クラブが上がり始めたところでボールに当たり、テンプラになることも。ボール位置を毎回確認するクセをつけましょう。
フェースの向きが不安定
インパクト時にフェースがスクエア(目標に対してまっすぐ)に当たっていないと、球筋は大きく乱れます。開いて当たればスライス、閉じて当たればフックと、ほんのわずかなズレが大きな曲がりを生みます。
グリップや手首の使い方、さらには体の回転のタイミングによっても左右されるため、フェースを意識した練習が重要です。
今すぐできるドライバーが当たらないときの改善方法

アドレスの姿勢を正しくする
背筋を伸ばし、腰から前傾する正しい前傾姿勢を身につけましょう。鏡や動画で自分のアドレスをチェックする習慣をつけることも効果的です。
また、ラウンド中はボールの行方が気になって頭をはやめに上げてしまうことがあります。最後までボールをみて姿勢が崩れないように心がけましょう。
力みすぎ・振り急ぎないように力を抜く
ドライバーは距離を飛ばしたい気持ちが先行して力みやすくなります。テークバックは「ゆっくり・大きく」とる素振りやスロースイングでリズムを整えましょう。
実際のスイングでは“7割の力”で振る意識をしつつ、クラブの重さを感じてみてください。クラブを逆さに持って素振りをすることでクラブの重さを感じやすくなります。
オーバースイングの方は軸がぶれてしまうので、腹筋下には力を入れつつ、上半身の力を抜くことが重要です。
正しいスイング軌道を身に着ける
ドライバーが手打ちになっていると軌道がずれやすいです。体であげる感覚を意識しましょう。ボールに当てようと無意識に腕が伸びていることもあるのでタオルを脇に挟むなどの練習も効果的です。
また、オーバースイングだとぶれやすいのでハーフスイングから始めて正しい軌道を体に覚え込ませましょう。
ボールの位置を正しくする
ドライバーはアッパーブローで打つのが基本。ボール位置が右すぎたり左すぎたりすると芯を外しやすくなります。
ボールは「左足かかとの延長線上」に置き、構える前に毎回ボール位置を目視で確認する習慣をつけましょう。
ティーの高さは、ヘッドの中央とボールの赤道が合う高さが目安です。ラウンドだと自分で調整するので気づきにくいこともあります。違和感を感じたらそのままにしないでしっかり調整しましょう。
フェースの向きを安定させる
インパクト時のフェースの開閉が大きいと、芯に当たっても曲がってしまいます。特にスライスやプッシュアウトの原因になります。
グリップを適切に見直すことが重要です。ドライバーの場合、普通のクラブよりは少しストロンググリップにしつつ、体の回転で打つ意識を持つことがおすすめです。
自分の傾向がわからない方は、動画でインパクトの瞬間のフェースを確認してみましょう。
ドライバーが当たらない人のための練習ドリル集

ドライバーショットが当たらない原因には、スイング軌道・ミートポイント・リズムなど様々な要素があります。以下のドリルは、再現性の高いスイングづくりや芯でとらえる感覚の習得に効果的です。
ティーアップ練習(ティーを高くする/低くする)
ティーの高さをあえて極端に変えて数球ずつ打ってみます。ドライバーのどこにあたるとどのような軌道になるのかが感覚でわかるようになります。高めティー(通常より+1cm)であれば、アッパー軌道とヘッドの下から上への使い方を意識できます。
効果:芯をとらえる位置感覚が身につく極端なミス(ダフリ・トップ)の修正感覚を得られます。
ヘッド軌道チェックドリル(ヘッドカバー or 空箱ドリル)
ボールの外側 or 内側にヘッドカバーや空箱を置き、クラブがそれに当たらないようにスイング外側に置けばアウトサイドイン修正に、内側に置けばインサイドアウト修正できます。専用の練習器具を使うのもおすすめです。
効果:視覚的にスイング軌道の矯正ができます。
リズム矯正ドリル(1・2・3カウントスイング)
声に出して「1・2・3」とカウントしながらスイングします。1でテークバック開始、2でトップで一瞬止める、3でダウンスイング〜インパクトまで進めます。
効果:切り返しのリズムが整うことで「振り急ぎ」によるミスヒットを防ぎ、力の入れどころが明確になります。
フェースコントロールドリル(インパクトマーカーを使う)
ドライバーのフェースにインパクトマーカーを使うことで、ボールがクラブのどこに当たっているかを確認できます。傾向が分かれば、真ん中にボールを当てるためにティーの高さを調整したり、立ち位置を変えることで精度が上がります。
効果:ミスの「原因」を感覚でなく視覚的に分かるようになり、効果的な対策がとれます。
ミラースイングドリル(鏡 or スマホでスイングチェック)
ドライバーのスイングを鏡の前やスマホのカメラでチェックしながら行います。特に「体重移動」「トップの位置」「クラブの軌道」に注目してみましょう。自分のスイングだけではなく、お手本となるスイングと見比べながら課題を見つけることが重要です。
効果:見た目と体感のズレを修正することで、フォームが安定し、芯に当たりやすくなります。
練習時のドリルは1日1つ、短時間で集中して行うのがおすすめです。打球の結果よりも、感覚と動きの精度を意識しましょう。練習場では、「ナイスショット」よりも「目的を達成できたか」を重視してください。
ドライバーが当たらなくても焦らない!

「当たらない」は誰もが通る道です。ドライバーは上手い方でも急に調子が悪くなったりします。ドライバーは当てようとしすぎないことも重要です。当てようとすると、どうしても手打ちになったり余計な力がかかってしまいます。
また、ドライバーは飛距離を出したい気持ちや、周りに見られている緊張感などメンタルによっても左右されやすいです。
まずは焦らず自分の傾向を把握して、練習を繰り返すことでより安定したショットが期待できます。少しずつ試しながら、自分に合ったスイングを見つけてみてください。