ドライバーで250ヤードでも1打。パターの30センチでも1打。
ゴルフにおいて1打の価値は変わりません。
プロゴルファーでは飛距離をどれだけ伸ばせるかがアドバンテージにもなりますが、ことアマチュアゴルファーに関してはパター数をいかに減らせるかがスコアに直結するポイントとなります。
そんな大切なパターですが、どんな練習をしていけば良いのかわからない、なかなかパターが上手にならない、といった悩みが聞かれるのも事実。
そこでパッティング数を減らすための上達法をチェックしていきたいと思います。
ここでは大きく分けてラウンド前練習のコツと、自宅で簡単にパッティングを上達させるための練習方法をお話していきたいと思います。
ラウンド前の練習のコツはパターの距離感を合わせるのが大切!

まずはラウンド前の練習から見て行きましょう。
ラウンド前にパッティング練習をする方はかなり多いと思います。そのとき何に注意してパターの練習をしているでしょうか。
ラウンド前のパッティング練習は、その日のパッティングの距離感を合わせるのが大切になります。
パターには様々なチェックポイントがある中で確認しておきたいポイントは、芝の長さやコンパクション(グリーンの硬さ)を確認して、その上でどれくらいのタッチでどれくらい転がるのか、をチェックするのが良いでしょう。
またラウンド前の朝では芝が朝露に濡れていたりするものの、時間とともに乾いてきてグリーンが早くなってくるケースも少なくありません。また逆に雨が降ってグリーンが柔らかく重くなってくることもあります。
その日の天気を考えながらグリーンがどう変化していくのか予測しておくのが大切です。
ラウンド前のパッティング練習で上達を考えるのはNG!?

ラウンド前にパター練習をする際におすすめできないのが、ラウンド前の練習でパター上達を考えること、です。
ラウンド前にみっちりパッティング練習をしている人を見かけるものの、根を詰めてパッティング練習をしてしまうとついつい熱中してしまい、あれこれ考えこんでしまった経験はありませんか?
ラウンド前にパッティングについて考えこんでしまうと、いざグリーンに立ったときにパッティングで迷ってしまうケースも。
またフェース向きを揃えたり、ストローク方向を修正しようとしたりする、ある程度「量」が必要な練習もラウンド前には向きません。
また長時間パッティング練習をやってしまうと、腰や背中が固まってしまいスイングに悪影響が出てしまいます。せっかくラウンドに来ているのに、練習でスイングに悪影響が出てしまっては本末転倒だからです。
ラウンド前の練習は、パターに限らずその日のラウンドで良いスコアを出すために行うものです。目的を見失わないようにパッティング練習を行いましょう。
1mと5歩、10歩!ラウンド前は歩測でパッティングの距離感を掴むべし

ラウンド前のパッティング練習のポイントは、パットの距離感を掴むような練習を行っていきましょう。
具体的には3つの距離を設定して行います。
・1m 状況が変わっても目測との誤差が出にくい1mの距離
・5歩 ラウンド中にある程度距離を残してしまった5歩の距離
・10歩 グリーンオンしたときにピンまで距離がある場合の10歩の距離
この3つの距離を練習しましょう。
また少し距離がある5歩、10歩は実際のラウンド中、グリーン上の距離を歩測で計測する機会が多いためです。ラウンド中とラウンド前の練習での距離感を合わせるためにもおすすめです。
長い距離から練習するのか短い距離から練習するのかは、人によって考え方が違うため一概には言えません。
自分のなかでしっくりくる距離から練習していくと良いでしょう。
短いパットはちょいオーバーで、長いパットはいかに寄せられるかがパター数を減らす考え方

1mの短いパットに関しては約30cmオーバーするくらいの強さで打ちます。これは届かないパットは入らない「Never up,never in.」という格言の通り、強めのパットとなるようにタッチを合わせて行きます。
10歩のやや長めのパットについては逆にオーバーに打ってしまうと、返しのパットすら外してしまう可能性が高くなります。次のパットで確実に沈められるようにジャストタッチでのパッティングを心がけるようにしましょう。
5歩という非常に中途半端な距離のパットはどうするか悩ましいところです。入れにいくか寄せにいくかでオーバーの強さで打つのかジャストタッチで打つかが変わります。
5歩を実際の距離で表すと平均しておよそ3~4m。プロゴルファーでも3mのパット成功率は約30%と言われているので、アマチュアゴルファーに関しては強気のパットよりも寄せて次で確実にタップインできる距離に置けるように狙うのが定石です。
ラウンド前の練習ではこのように距離感を掴むように練習するのをおすすめします。
ラウンド前にはあまりに長時間のパター練習は身体が固まってしまう

ラウンド前のパター練習について、実はあまりおすすめできない注意点もありますのでこちらもチェックしておきましょう。
それはあまりにも長時間のパター練習です。
1時間以上前からパター練習をずっとやっている!という人もいるかもしれません。しかし前かがみでずっとパター練習ばかり続けてしまうと、腰や肩が凝ってしまう可能性があります。
同じ姿勢での練習が続くと体が固まってしまいますので、これからティーショットを迎えるのを考えればあまり良い結果が出るとは思えません。
ラウンド前練習はパッティングの距離感を掴むことが大切です。イメージと実際のボールのズレを確認する場であるのを意識しておきましょう。
そのためパッティング練習に関しては全体で15分から20分くらいに留めておくのが適正であると言えます。
自宅でパター上達法!おすすめなのはパターマットを上手く活用する

ラウンド前のパッティング練習と大きく意味が異なるのが自宅でのパター練習です。パターの精度は自宅練習で決まるといっても過言ではありません。
ラウンド前練習はパッティングの確認作業であるのに対し、自宅でのパター練習は上達するための練習です。
中でもおすすめは、おそらく皆さんが持っている確率が高いであろうパターマットを上手に活用する練習方法です。
漠然とただ打ってカップに入れるだけではなかなか効果が出にくかったパターマットも、ちょっと練習方法に工夫を加えるだけでパッティングのレベルアップに大きく貢献してくれるツールに大変身します。
パターマットを使ってまっすぐ打ってみる
まずはパターマットの基本的な使い方で練習していきましょう。
一般的なカップの前に傾斜がついているパターマットでは中央に線が入っていて、ボールが戻ってくるようになっています。
この傾斜には実は秘密が隠されていて、ただボールを戻すためだけの機構ではないんです。
このカップにジャストタッチで入れたときに、実際のパッティングでは約30cmオーバーとなるように設計されているんです。そのため短いパットをジャストタッチでどんどん入れるだけで、30cmオーバーのタッチが身に付くわけです。
また中央にラインが入っているため、フェース面のズレも確認しやすくショートパットの精度を上げるための反復練習に適していると言えます。
パターマットでカップの左右から入れるようにパッティングする
パターマットを使ってさらに微妙なタッチやシビアなラインで練習したい方には次の練習方法がおすすめです。
まずパターマットにボールを置く位置を左右どちらかに寄せてみましょう。そしてカップの左右から狙って入れるようにパッティング練習をします。
ボール位置をずらすことで傾斜がわずかに斜めになりますので、微妙なタッチの違いを身に着けることができます。さらにカップの左右どちらかから入れるように狙うことで、正確にボールを出せなければ狙い通りのカップインはさせられないでしょう。
普通に真っすぐ打って真っすぐ入れるだけ、というパッティング練習よりも大きく難易度があがりますが、続けていると細かなタッチの差や正確なラインが出せるようになってきます。
パターマットにコインを置いてまっすぐストロークするように練習
パターで方向性が安定しない人はストローク方向が一定ではない可能性があります。そんな人におすすめなのがパターマットにコインを置いて、パターのヘッドが動くところを表示してあげる練習です。ストロークでその範囲からパターヘッドが出ないように心がけてパッティングしていきます。
インに引きすぎてしまう人やアウトサイドに引っ張ってしまう人は、なかなか窮屈に感じるかもしれませんが、ヘッドをまっすぐ引いて真っすぐ出す、というパッティングイメージの人には特におすすめです。
逆にピンタイプのパターが向いていると言われる、フェースの開閉を使ってパッティングをする人は違和感が出る可能性があります。
ヘッドアップや起き上がり防止にカップを見ないでパッティング
パットでダフりや当たり損ないのミスが多い人はヘッドアップや起き上がりが早い可能性があります。そのような人はとにかくカップを見ないでパッティングを繰り返していく練習がおすすめです。
1m以内のごく短い距離で良いので、パッティングをしたらそのまま顔はあげずにボールがあった場所だけを見てパッティング練習をしていきます。実際のラウンドではボールの行先を見るはずですが、これはヘッドアップや上体の起き上がりをさせないための練習です。
パッティングをしたときについつい浮いてしまう顔や体を抑えるように意識して繰り返し練習してみましょう。
パターの練習をするときはボールを統一するとベスト

パター練習をするときに1つだけ、やって欲しいことがあります。
それはコースで実際に使用するボールとパッティング練習で使用するボールを統一すること。
感覚を研ぎ澄ませてボールを打ってみると、パッティングの強さでさえボールの打感が変わっているのが分かるはずです。
特にディスタンス系と呼ばれるボールとツアー系やスピン系と呼ばれるようなボールではコンタクトの瞬間の弾き感や転がり出しが微妙に変わります。
わずかな違いでカップに入るか入らないか変わってしまうパッティングは、本番のラウンドと練習でも感覚を揃えるのが大切。
本番と練習でボールの条件を揃えるのはアマチュアゴルファーだとしても難しくありませんのでボールの統一をぜひおすすめしたいと思います。
パター上達に近道はない!コツコツとパッティング練習を積み重ねてスコアアップを目指そう

パター上達法の中でも皆さんが特に気にしているラウンド前の練習方法と、自宅での練習方法をお届けしました。
パター上達に近道はありません。しかしコツコツと地道な練習を続けた人が必ず成果が出ます。スコアアップを目指すために、パター練習をもう一度見直してみませんか?