シャンクの原因と治し方!止まらない時の対策は?
シャンクはゴルファーなら誰にでも起こるミスショットです。
一度起こると抜け出せないシャンクですが、その原因を正しく解明することで、不安を取り除くことができます。
記事では、シャンクの正体を明らかにした上で、ラウンド中にできる対策と治し方をご紹介します。
シャンクとは ボールがいきなり右に飛び出すミスショット!
ゴルフのシャンクとは、ボールがいきなり右方向に飛び出すミスショットのことです。
インパクトでボールがクラブのフェースに当たらないで、シャフトとヘッドをつないでいるネック・接合部分に当たることで起こる現象です。
グリーンサイドからのアプローチショットなど、ピン側に寄せたいときに起こると、グリーンに乗るどころかピンから遠ざかる事まであるので、精神的なダメージが大きくなります。
シャンクは、ロフト(傾斜)の角度が大きいアイアンほど起こる確率が高くなりますが、
まれにドライバーやフェアウエーウッドでもシャンクが起こることがあります。
クラブのネックではなくて先端のトウ側に当たる事が主な原因でトゥシャンクといいます。
シャンクは英語でShankと書きます。
「柄」や 「軸」の意味です。クラブで言えば、ネック部分を差すのでそのまま症状の呼び名として使われています。
シャンクが起きるのはクラブのネックの歪んだ形が原因
シャンクが起きる原因は、アイアンクラブのネックの怪しげな形にあります。
上の写真はゼクシオの9番アイアンとボールを撮影した映像です。
この状態でインパクトを向かえるとシャンクが起こりボールが右方向に飛び出してしまいます。(レフティなら左方向)
では、なぜそんなことが起こるのでしょうか?
アイアンのネックの形状をよくご覧下さい。
接合部分がフェースに比べて45°ほど右上に歪んでいるではありませんか。その上、大きな傾斜まで付いています。
これではどうぞシャンクを起こしてくださいと言っているようなものです。
この歪みが原因でボールが右に飛び出すのです。
ネックは、なぜこのような不思議な形になっているのでしょうか。
アイアンには大きなロフト(傾斜)とボールの捕まりをよくするグースネックが必要なために、ネックとシャフトを結ぶ接合部分はこのような歪んだ形にならざるをえないのです。
ロフトの大きい、ショートアイアンほど歪みが大きくなっています。
これが、ショートアプローチでシャンクが起きることが多い原因の一つと思われます。
最もロフトが小さいパターはヘッドとシャフトがダイレクトにつながっているため、歪み部分がないのでシャンクが起こりません。
繰り返しになりますが、シャンクが起こるのはネックの歪んだ部分でボールを打つことが原因です。
「こんな手前で打っているなんてとても信じられない」と思うゴルファーもおられることでしょう。
でも、これこそがシャンクの正体なのです。
それでは、ゴルファーがなぜネックで打ってしまうのか、その理由と対策を説明します。
シャンクが起きる原因と対策
シャンクの原因となる、「ネックでボールを打ってしまう動作」が起こる基本的要因は2つあります。
①インパクトで身体がボールに近寄りすぎ!
②フェースが開いて下りてくるので、ネックが先に当たってしまう!
インパクトで身体がボールに近寄りすぎるとネックに当たる確率が高くなりますが、これは初心者に多い空振りに近い状態です。
現実には②の要素「フェースの開き」が原因でシャンクが起こるケースが多いとされています。
シャンクは、ショートアプローチなどストレスのかかるシチュエーションや、アウトサイドインの軌道など様々な要因によって起こります。
ここでは、シチュエーションやスイング動作など、ケース別にシャンクの起こる原因と対策を具体的に説明します。
ショートアプローチはシャンクが出やすい
グリーン周りのショートアプローチでシャンクに悩むゴルファーは中・上級者に多いとされています。
ピンが目の前にあるなどのストレスも含めて、いろいろな複合的要因が重なるため、中・上級者にシャンクが発生する可能性が高くなるのだと思われます。
原因
・球を確実に捕らえたい気持ちが強いためにインパクトで上体がボールに近づき過ぎる
・目標が近いためにインパクトで目線が離れやすい
・クラブのロフトが大きいのでネックの傾きも大きい
・ボールを上げたいので、フェースが開いている
対策
・アドレスとダウンスイングでボールとの位置関係を変えない
・アドレスで思い切りトゥ寄りに構える
極端なアウトサイドインはシャンクが出やすい
アイアンで極端なアウトサイドイン軌道を描くと、シャンクが出やすい傾向があります。
原因
・ヘッドが開いて下りてくるので、フェースよりネックが先にボールに当たる。
・フェースが返りにくい
対策
・腕と肩の三角形を崩さない
・クラブを寝かさずに立てて下ろす
腕と肩の三角形を保ったままスイングすると、アウトサイドインの軌道がゆるやかになります。
極端なインサイドアウトでもシャンクが起こる
インサイドアウトが強くなると、トップからフェースが上を向いたままダウンスイングに入るので、シャンクが起こりやすくなります。
原因
・クラブが寝ているので、ネックがフェースより先に当たる
・インパクトでクラブが返らない
対策
・クラブを寝かさないで立てて下ろす
・インパクトでフェースを返す
ダウンスイングでクラブを立てて下ろすようにするとフェースも閉じやすくなり、ネックに当たる懸念も減るでしょう。
ダウンスイングで右膝が前に出るとシャンクが起こる
ダウンスイングで右の膝が前に出ると、クラブの通り道がふさがり、軌道が外側に外れてしまいます。
つまり、手が身体から離れた状態になり、フェースが開いたままインパクトを迎えるので、シャンクになりやすいのです。
原因
・普段から膝が前に出る癖がある
・フェースが開く
対策
・ダウンスイングで右膝を左膝に寄せる
・下半身の動きを制限する
アプローチで、ボールを柔らかく上げようとすると右膝が突っ込みやすい、という指摘もあるので注意しましょう。
無意識にボールに近寄り過ぎてシャンクが起こる
正しいスイングアークで打っているつもりなのに、無意識のうちにボールに近寄りすぎるためにシャンクが起こるケースがよくあります。
原因
①もともと、アドレスのときの身体の位置がボールに近すぎる
②アドレスでは適切な距離だが、ボールに当てる意識が強くて前傾してしまう
対策
・構えてから1ボール離れて打つ〈ちょっと遠すぎると思うくらいまで〉
・ボールの手前で素振りを2回してから、そのままの位置でボールを打つ
ラウンド中や練習中にシャンクが出て止まらないときの対症療法として試してみてください。
ライが悪くてもシャンクが起こる
つま先下がりのときはシャンクが出る傾向があるので、要注意です。
原因
・ライがつま先下がりのときは、前のめりになるのでシャンクが起こりやすい。
対策
・腰を下ろす姿勢でアドレスをしてそのまま打つ
前下がりのときには球が右に行きやすいです。腰を下ろす姿勢は、前下がりのときの基本的な打ち方なので覚えておきましょう。
ティアップしたときにシャンクが起こる
ショートホールのティショットでティアップしたときにシャンクがでる事があります。
ティアップが高いほどシャンクが起こる確率が高くなるので、高過ぎないように気をつけましょう。
原因
・地面から打つときよりボールとの距離が近くなる
対策
・ティの高さを地面すれすれに低くする
・ティ・アップ分だけグリップを短く持つ
これは、自信が無いときの対症療法です。
普段からティアップしてアイアンを打つ練習をしておくといいですよ。
以上はラウンド中にも使えるシャンクの対処の仕方でした。
シャンクを治す根本治療
ここでは、シャンクを治す根本的な方法を提案します。
シャンクの練習をして正体を知ろう
シャンク治療の第一歩は、自宅で簡単にできるシャンクの練習です。
アイアンの構造とシャンクの正体を知ることで、余計な不安感を消してしまいましょう。
まず、前掲のゼクシオアイアンとボールの写真をもう一度ご覧下さい。
自宅の廊下やカーペットの上で、9番アイアンやPWを使って画像通りのボールの位置でゆっくりクラブを動かしてみましょう。
小さな動きだけでもボールが右に転がります。
初めは、慣れないアドレスで振るのにまごつきますが、前後10cm幅で普通に振ると、毎回見事にシャンクが出るようになります。
これがにっくきシャンクの正体でした。
余りに簡単なので不安感などなくなりますよ。
ついでに、前後10cmほどの幅でフェイスの真ん中で打つ練習もしておきましょう。
フェースを目標に向け、ゆっくり、真っ直ぐ引いて、ゆっくり、真っ直ぐ打ちましょう。
再現性を高めるビジネスゾーンの始まりです。
アドレスがおろそかになっていませんか?
そもそも、アドレスがおろそかになっていませんか?
アドレスの姿勢が正しくないと、正しいインパクトは期待できません。
アドレスでは、膝を少し落としたインパクトの姿勢からボールとの距離を取りましょう。
コースで疲れたときや練習しすぎたときなど、膝が伸びた状態や棒立ちでアドレスをすると、インパクトでボールとの距離を縮める動きが出てシャンクが起こりやすくなります。
練習のときから、毎回、正しいアドレスをとる習慣を身につけるようにしましょう。
ビジネスゾーンの練習で再現性を高めよう!
ビジネスゾーンとは、小さなインパクトゾーンのことです。
そこさえ正しく当たればお金を稼げるゾーンなので、US・PGAツアーのプロがビジネスゾーンと呼んだことが始まりです。
まず、正しく、小さなインパクトゾーンを作り、その形を保ちながら次第にスイングを大きくしていく練習方法です。
再現性を高める練習なので、アドレスのときとインパクトのときのボールの位置関係が変わリません。
シャンク防止に最適の練習方法としておすすめです。
【練習方法】
前後10cm幅の動きから始めて、ボールとの距離を一定に保ちながら小さなスイングから大きなスイングへと順番に練習をしましょう。
10cmから10cm 真っ直ぐ引いて、真っ直ぐ打つ。
ここでシャンクする人はいません。
膝から膝のスイングに広げる。
腰から腰、肩から肩のスイングに広げる。
スイングが大きくなってもインパクトゾーンの動作が変わらないことがポイントです。
もしも、シャンクが出たら最初からやり直しましょう。
シャンクが止まらないときは、障害物をボールの向こう側に置いて練習しましょう。
障害物に当たらないように打つので、ボールをネックに当てることが出来ません。
【3つの障害物別練習法】
・ボールを2個おいて、手前のボールを打つ
・棒をボールの向こう側に置く
・ティの手前に置いて、ティに当てずにボールを打つ
打ちっぱなしのゴムティの前に置いてティに当てずに打つ練習がシンプルで安全です。
ビジネスゾーンは、スイングの基本を作る方法でもあるので、ぜひ試してみてください。
まとめ
シャンクが起こる原因と対策を解説しました。
シャンクを直す方法はコースでも出来る対症療法と、基本から直す根本治療の二つ。
出来れば二つを平行して直すことをおすすめします。
自分のスイングフォームは、自分でみることが出来ません。
上級者や、ティーチングプロに診断してもらうのも効果的です。
どうぞ記事を参考に、にっくきシャンクをやっつけて下さいね。