ゴルフのハンディキャップと言えば、JGAのオフィシャルハンディキャップがあって公式の競技でも使用されているものがあります。
しかし今回紹介していくのはプライベートハンディキャップと呼ばれるもので、ゴルフのコンペなどでよく使用される「ペリア」や「新ペリア」などのハンディキャップを御紹介します。
プライベートハンディキャップの計算方法やそれぞれの方式による特徴も合わせて解説します。
プライベートハンディキャップは一般的にはどんな種類がある?

プライベートハンディキャップはいわゆるコンペなどで採用されるハンディキャップで、それぞれスコアの計算方法に違いがあります。
どのハンディキャップ算出方法を使うかで運が絡む要素が増減しますので、それぞれのコンペ内容に応じて使い分けられると良いでしょう。
なぜハンディキャップが存在するのか?ハンディキャップの目的は?

いくつもハンディキャップを計算する方法がありますが、なぜこのようなハンディキャップが存在するのでしょうか。
ゴルフは圧倒的な実力差があるとどう考えても順位はひっくり返りません。そこでハンディキャップと呼ばれる実力に応じたハンディが与えられることで、実力差があっても同じ土俵で楽しめるように設定されているものです。
ハンディキャップ計算方法を知る前に知っておこう「隠しホール」とは?

ハンディキャップを計算する上で必ず出てくるのが「隠しホール」と呼ばれるもの。
この隠しホールとは、スタート前にあらかじめハンディキャップを計算するときに使用するホールを決めておくものでこれを隠しホールと呼びます。
ハンディキャップの計算に必要なホールを設定しているんだなぁ、とイメージしてもらうと分かりやすいですね。
ハンディキャップ計算方法を知る前に知っておこう「グロススコア/ネットスコア」とは?

グロススコアとネットスコアという用語があります。
これはハンディキャップ分のスコアを差し引く前の合計スコアを「グロススコア」と呼びます。対してハンディキャップ分のスコアを総打数から差し引いたものを「ネットスコア」と呼びます。
ハンディキャップを計算するときにはまずグロススコアを集計してから、ハンディキャップを計算。グロススコアからハンディキャップを差し引いてネットスコアを算出します。
ハンディキャップ計算方法を知る前に知っておこう「小数点以下はどうする?」

ハンディキャップの計算方法では隠しホールから算出された数値に「0.8」をかけます。こうすると場合によっては小数点以下で数字の端数が出てきますが、この数字については四捨五入をするのが通例。
ただ小数点以下をそのまま採用する場合や、小数点以下は切り捨てる場合など様々なケースもあるようです。
後からクレームが出ないように幹事になった場合は事前に小数点以下の扱いをどうするのか周知しておくのがポイントです。
ペリア・新ペリア・新新ペリアの3種類からハンディキャップは選ぶべし

コンペなどで採用されるハンディキャップの計算方法ですが、「ペリア」「新ペリア」「新新ペリア」の3種類が一般的でこの中から選ぶようにしましょう。
それぞれの特徴や概要を表にまとめてみましたのでご覧ください。
方式 | 隠しホール | 運要素 | 実力と比例 | コンペタイプ |
ペリア | 6ホール | 強い | しにくい | カジュアル向け |
新ペリア | 12ホール | 標準 | しやすい | 一般的にはこちら |
新新ペリア | 9ホール | そこそこ | 中間 | ほぼ使われない |
このようにそれぞれハンディキャップの種類によって特徴が異なります。
方式別に計算方法や詳細ルールを見ていきましょう。
ペリア方式の概要とハンディキャップ計算方法
ペリア方式の概要は、ハンディキャップを計算するために隠しホールを6つ設定します。その6つの隠しホールの合計打数からハンディキャップを算出する計算方法です。
隠しホールの設定方法は、隠しホールのスコア合計が24となるように設定します。アウト/インそれぞれのコースからパー3、4、5をそれぞれ1つずつ選択するのが一般的です。
ペリアの計算式は
HC=(隠しホールの合計スコア×3-72)×0.8
となります。
例えば隠しホールを全てダブルボギーでプレーした場合
(隠しホール合計 36×3ー72)×0.8=28.8
となり28.8がハンディキャップとなります。四捨五入すればHC29。切り捨てならHC28です。
ペリアは隠しホールで大叩きをした人ほどハンディキャップが大きくなりますので、ゴルフの実力は全然ダメでも運次第で上位を狙える可能性が高いハンディキャップ算出方法です。
新ペリア方式の概要とハンディキャップ計算方法
新ペリア方式の概要は、ハンディキャップを計算するために12の隠しホールを設定します。その12の隠しホールの合計打数からハンディキャップを算出する計算方法です。
ちなみにダブルペリアは新ペリアの別の名称で内容は同じです。
隠しホールの設定方法は、隠しホールのスコア合計が48となるように設定します。ハーフでショート1、ロング1、ミドル4、だとちょうど24になるため、このように隠しホールを設定しているコンペが多いはず。
新ペリアの計算式は
HC=(隠しホールの合計スコア×1.5-72)×0.8
となります。
例えば隠しホールを全てボギーでプレーした場合
(隠しホール合計 60×1.5ー72)×0.8=14.4
となり14.4がハンディキャップとなります。四捨五入及び切り捨てどちらもHC14です。
隠しホールが全体で12ホールもあるため、運の要素も絡むとはいえある程度実力に応じた順位に収まりやすくなっています。
新新ペリア方式の概要とハンディキャップ計算方法
新新ペリア方式の概要は、ハンディキャップを計算するために9の隠しホールを設定します。その9の隠しホールの合計打数からハンディキャップを算出する計算方法です。
つまり新新ペリアの特徴は、ペリアよりも運の要素が影響しにくく、かつ新ペリアよりは実力通りではなく番狂わせが起こる可能性が高いということ。
隠しホールの設定方法は、隠しホールのスコア合計が36となるように設定します。隠しホールはアウトとインでどう割り振るかで変わるポイントでもあります。
新新ペリアの計算式は
HC=(隠しホールの合計スコア×2-72)×0.8
となります。
例えば隠しホールがパー4×5、パー3×2、パー5×2だったと仮定して全ての隠しホールをボギーでプレーした場合
(隠しホール合計 45×2ー72)×0.8=14.4
となり14.4がハンディキャップとなります。四捨五入及び切り捨てどちらもHC14です。
ハンディキャップ方式を決めるとき一緒に決めなければいけないこと

多くのコンペではハンディキャップの方式は「ペリア」もしくは「新ペリア」で開催されるケースが多いです。
ハンディキャップをどちらにするかは当然決めなければいけませんが、それと同時に決めなければいけないポイントもありますので忘れずにチェックしておいてくださいね。
小数点以下はどうする?
ハンディキャップの計算方法はどの方式であっても×0.8を行います。
このとき小数点になったりするんですよね。小数点以下はどのような取扱いにするのか事前に決めておかないと後からクレームへとつながりかねません。
四捨五入とする場合が多いようですが、小数点以下1ケタまではそのままで2ケタ以下は四捨五入、小数点以下は切り捨て、など様々なケースがあるようなので事前に決めておきましょう。
仮に会社のコンペなんかで昨年はどうしていたか幹事に聞いてみると「昨年はどうだった」「普通はこうするべきだ」「昔はこうだったはず」と色々なところから色々な意見が出てきてしまって一向にまとまらない場合も少なくありません。
そんなときはゴルフ場に確認してゴルフ場のシステムに合わせる、というのが一番丸く収まるかも。
隠しホールで計算するスコアはいくつにする?
隠しホールの合計スコアがハンディキャップに直結するので、計算するために上限となるスコアを決めるかどうか確認しておきましょう。
例えばパー4の隠しホールで13打の大叩きをしてしまったとしましょう
●上限を設けず13打として計算
●ダブルパーカットで計算して8打として計算
●トリプルパーカットで12打として計算
と、いろいろなケースがあります。
現在の主流は上限を設けず計算する方法のようですが、ここもきちんと事前に取り決めしておきましょう。
ハンディキャップ上限を設ける?それとも上限なし?
計算で求めたハンディキャップについて、そのままネットスコアに反映するか一定のところで上限を設けるのかも大切なポイントです。
ハンディキャップに上限を設ける場合は36を上限としてネットスコアを求める場合もあります。
逆に上限を設けずに計算した数字をそのままハンディキャップとして反映させる場合もあり、こちらも事前に決めておくようにしましょう。
ゴルフコンペの幹事になったらハンディキャップの計算方法を覚えなきゃ?いやいやそんなことはないんです

ゴルフコンペを開催することになって幹事になってしまい、ハンディキャップをどうするかで頭を抱えている幹事さんもいらっしゃるかもしれませんね。
しかし基本的にはハンディキャップの計算や隠しホールの設定などは、ゴルフ場に事前に伝えておけば全てやってもらえますので安心してください。
常駐スタッフさんがいないとか、システムの整っていないゴルフ場で開催されるなどのイレギュラーがあれば自分で計算しなければいけない可能性は残るもののほとんどのゴルフ場では基本的にはゴルフ場任せで大丈夫です。
コンペの景品なども予算に応じてゴルフ場で用意してもらえたりしますので、こちらも合わせて確認してみると良いですね。