ゴルフをプレーした翌日、「体が痛い」「筋肉痛になった」と感じる方は多いのではないでしょうか。実はこの筋肉痛、単に運動不足や疲労のサインというだけでなく、あなたのスイングが正しいかどうかを教えてくれる重要なヒントにもなります。
筋肉痛が出る部位によって、適切なフォームでスイングできているのか、それとも改善が必要な間違ったフォームになっているのかを簡単に判断することが可能です。
この記事でご紹介では、どの部位に筋肉痛が出るのが正しいのか、どの部位の筋肉痛は間違ったフォームにつながるのかを解説します。
筋肉痛から自分のスイングを見直し、ゴルフ上達を目指しましょう!
筋肉痛が出ても問題ない部位(正しいスイング)

ゴルフのスイングは、体幹や下半身を中心にした動きが理想です。正しいフォームでスイングができていると、普段あまり使わない筋肉が適度に刺激され、翌日に軽い筋肉痛を感じることがあります。
次の部位に筋肉痛が出ている場合は、適切なフォームでスイングできている可能性が高いため、基本的には心配する必要はありません。
背中(背筋)
背中の筋肉(特に広背筋や脊柱起立筋)は、体幹を使った正しいスイング動作でよく使われます。背中に軽い筋肉痛がある場合は、腕力だけに頼らず、上半身全体を使ってしっかりとスイングできている証拠です。
上腕三頭筋(二の腕の裏側)
ゴルフスイングでは、腕を伸ばしてクラブを振り抜く動作が求められます。このとき自然と使われるのが「上腕三頭筋」です。二の腕の裏側に適度な筋肉痛がある場合は、腕に余計な力みがなく、リラックスしてクラブを振れているサインになります。
腸腰筋(股関節まわり・インナーマッスル)
腸腰筋は股関節周辺の深層部にあるインナーマッスルで、下半身主導の安定したスイングを支える重要な役割を果たします。股関節や下腹部付近に軽い筋肉痛を感じる場合は、下半身や体幹をしっかり使ってスイングできている証拠です。
これらの部位に軽い筋肉痛がある場合は、正しいフォームでゴルフができている可能性が高いため、自信を持って練習を続けましょう。ただし、強すぎる痛みや長期間続く痛みの場合は無理せず休息を取るよう心掛けてください。
筋肉痛が出ると注意すべき部位(誤ったスイング)

ゴルフ後の筋肉痛には、正しいフォームを示すものだけではなく、間違ったフォームや力み過ぎを知らせるサインになるものもあります。次の部位に筋肉痛を感じる場合は、スイングの改善が必要かもしれません。
上腕二頭筋(二の腕の表側)
上腕二頭筋は、いわゆる「力こぶ」を作る筋肉です。ここに筋肉痛が出る場合は、スイング時にクラブを強く握りすぎたり、腕だけで無理に振ろうとしている可能性があります。腕や手首に余計な力が入ると、スイングの軌道が安定せず、飛距離や方向性にも悪影響があるので注意しましょう。
肩・首まわり
肩や首まわりに筋肉痛が出る場合は、上半身に余計な力が入りすぎていることが多く、肩をすくめたり首を緊張させたりしている可能性があります。また、このようなフォームは疲労が溜まりやすく、肩こりや首の痛みなど慢性的なトラブルにもつながるでしょう。
右足外側(長指伸筋)
右利きの場合、ダウンスイング時に右足外側(特にすねの外側)が過度に緊張して筋肉痛になることがあります。この場合は下半身の使い方が適切でなく、無理な体重移動や下半身の踏ん張りすぎによって起こります。正しいスイングでは下半身は安定感を保ちつつもリラックスして動かすことが理想的です。
筋肉痛から判断するスイング改善ポイント

二頭筋や首周りなど、筋肉痛が適切でない部位に出る場合は、フォームに問題があるかもしれません。筋肉痛が正しい部位に出るように、次のポイントを意識してみましょう。
クラブを握る力を弱める
クラブを強く握りすぎると腕や肩に余計な力が入り、スイング全体が硬くなってしまいます。その結果、肩や首周りに筋肉痛が出てしまうことも。
グリップは「軽く握る」ことを意識し、力みを取り除きましょう。適度なグリッププレッシャーは、クラブヘッドの走りが改善されると飛距離も伸びやすくなります。
腕ではなく腰や下半身主導でスイングする
腕だけでクラブを振ろうとすると、上腕二頭筋や肩に負担がかかり、筋肉痛の原因になります。正しいスイングでは、腰や下半身を使って体全体でクラブを振り抜くことが重要です。下半身主導の動きを意識することで、安定したスイングと飛距離アップにつながります。
切り返しやインパクト直前で余計な力を入れない
インパクトの瞬間に「飛ばそう」と力みすぎると、肩や首などに負担がかかりやすくなります。スイング全体をリラックスした状態で行い、特に切り返しのタイミングでは力を抜いて自然な動きを心掛けましょう。プロゴルファーのように「軽く振って飛ばす」フォームを目指すのがわかりやすいです。
フォーム改善はゴルフ上達への第一歩です。
自分のスイング状態をチェックしながら取り組んでみましょう。
正しい筋肉の使い方を意識した練習法

ゴルフスイングで正しい筋肉を使うことは、飛距離や安定性を向上させる重要なポイントです。ここでは、体幹や下半身を中心にしたスイングを身につけるための具体的な練習方法をご紹介します。
体幹を意識したスイング練習
ゴルフスイングでは、腕や肩だけでクラブを振るのではなく、体幹を使って全身でスイングすることが理想です。以下の練習で体幹の使い方を意識しましょう。
【クラブなしで腰の回転を練習】
クラブを持たずに両手を腰に置き、腰の回転だけでスイング動作を行います。この練習により、腕や肩に頼らず、体幹を中心とした動きを身につけることができます。
【アイアンを2本使ったドリル】
アイアン2本を両手で持ち、10センチほど離した状態をキープしながらゆっくりとハーフスイングを行います。体幹をうまく使わないと左右のクラブがクロスしたり当たってしまったりするので、そうならないように注意しながら行ってください。
腕の力みを取る練習法
腕に余計な力が入ると、スイングが硬くなり、肩や腕に筋肉痛が出やすくなります。以下の方法で腕の力みを取り除きましょう。
【軽いグリップでスイングする練習】
丸めた新聞紙や広告を用意して、潰さないように気をつけながらスイングしてみましょう。このとき、新聞紙が潰れたらどこかで力が入りすぎている証拠です。
新聞紙が潰れずにスイングできるように、何度も挑戦してみてください。
【片手スイングでリラックス感覚を養う 】
利き手だけでクラブを持ち、軽く振る練習をします。片手で振ることで腕の力みが取れ、クラブヘッドの重さと軌道に任せた自然なスイング感覚が得られます。
正しい筋肉の使い方を意識して取り組むことで、より効率的なスイングが身につくでしょう。
筋肉痛が出た部位別の改善ドリル

ゴルフ後に筋肉痛が出る部位は、スイングの課題を見つける重要なヒントになります。本来使うべき筋肉が正しく使われていない場合、不要な部位に負担がかかり筋肉痛が発生します。ここでは、筋肉痛が出た部位ごとに改善すべきポイントと、それに対応する練習ドリルを紹介します。
腕の前側(上腕二頭筋)が筋肉痛の場合
【原因】
腕の力だけでクラブを振ろうとしている可能性が高いです。スイング時に腕に力が入りすぎると、上腕二頭筋に負担がかかります。
【改善ドリル】
クラブを肩に担いで体の回転を確認する
クラブを肩に担いだ状態でスイングの動作を行います。このとき、体の回転がしっかりできていれば、バックスイングで担いだクラブが90度ほど回転しているはずです。
体の回転が足りない場合は、無理のない範囲で回転を強めるように意識してみてください。
他にも、先に紹介した「片手スイング」がおすすめです。
肩や首が筋肉痛の場合
【原因】
スイング時に体全体の回転が不足し、肩や首に負担が集中している可能性があります。また、上半身に力が入りすぎていることも原因です。
【改善ドリル】
ミラー練習
鏡の前でスイングフォームを確認しながら練習します。肩や首が力んでいないかチェックし、リラックスした動きを意識しましょう。特に、構えたときに肩がすくんでいないかをチェックすることで脱力できます。
グリップの握り方が強すぎる場合は、新聞紙を使ったグリッププレッシャーの調整もおすすめです。
右足外側(長指伸筋)が筋肉痛の場合
【原因】
ダウンスイング時に下半身の使い方が不適切で、右足外側に過剰な負荷がかかっている可能性があります。体重移動の練習をすることで改善できるでしょう。
【改善ドリル】
足踏みドリル
アドレスをとったら、左右に足踏みするように体重移動を行い、体重移動に合わせて振り子のようにスイングを開始します。これによって、体重移動しながらクラブを走らせる感覚を掴み、フィニッシュで左足に体重移動できるようになるでしょう。
筋肉痛もスイング改善のヒントに活用しよう!

ゴルフ後に感じる筋肉痛は、単なる疲労のサインではなく、スイングの良し悪しを判断する重要なヒントになります。筋肉痛が出る部位を分析することで、正しいフォームでスイングできているか、改善が必要なポイントはどこかを知ることができます。
正しい筋肉の使い方を意識し、適切な練習法や改善ドリルを取り入れることで、無駄な負担を減らしながら効率的なスイングを身につけることが可能です。特に体幹や下半身を中心とした動きを意識することで、飛距離や安定性の向上につながります。
筋肉痛は「改善のチャンス」と捉え、自分のフォームを見直すきっかけにしましょう。今回紹介した内容を参考に、正しいフォームと筋肉の使い方を習得し、快適で楽しいゴルフライフを送りましょう!