ゴルフのアウトサイドインとは?アウトサイドインが及ぼす影響と改善方法について徹底解説!

ゴルフを始めたばかりの初心者からスコアアップを目指す中級者まで、たくさんのプレイヤーが悩むポイントのひとつが「スライス」です。スライスとは、ボールが右方向(右利きの場合)に大きく曲がるミスショットのことで、飛距離が出ないだけでなく、OBやトラブルショットの原因にもなります。
このスライスの主な原因として挙げられるのが、「アウトサイドイン」というスイング軌道です。アウトサイドインとは、クラブヘッドがスイング中に外側から内側へ動く軌道を指します。
とはいえ、アウトサイドインが全て悪いとは言い切れません。プロゴルファーでも意図的にアウトサイドインでフェードボール(右に軽く曲がる球筋)を打ち、ボールをコントロールすることがあります。
今回は「アウトサイドイン」というスイング軌道について、そのメリットやデメリット、改善方法や活用法について分かりやすく解説します。
ゴルフのアウトサイドインとは?

ゴルフの「アウトサイドイン」とは、ゴルフスイングにおけるクラブヘッドの軌道のことです。
クラブヘッドがスイング中に、ターゲットライン(目標方向)の外側から内側に向かって動きます。
アウトサイドインになるとどのような影響があるのか、詳しく見ていきましょう。
他のスイング軌道との違い
アウトサイドインは、他の2つのスイング軌道と比較すると以下のような特徴があります。
アウトサイドイン :外側から内側へ振る軌道。フェースが開いているとスライスになりやすい。
インサイドイン:内側から内側へ振る理想的な軌道。直進性が高く、安定したショットが期待できる。
インサイドアウト内側から外側へ振る軌道。フェース角度次第でドローやフックが生まれる。
どの軌道にも特徴がありますが、一般的には、インサイドインもしくは軽いインサイドアウトが望ましいと言われます。
アウトサイドインが引き起こす球筋
アウトサイドインの軌道は、「カット打ち」とも呼ばれ、フェースが開くとボールが右に曲がる「スライス」を引き起こします。
スライスになると、飛距離が伸びないだけでなくトラブルショットやOBになってしまうことも…。
また、フェースが閉じている場合には左方向への「チーピン」が発生することもあります。
なぜ初心者に多い?
初心者にアウトサイドインの軌道が多い理由は、以下の4つです。
ボールを強く打とうとする意識から、腕や手だけでクラブを振ろうとする
正しい体の回転(下半身リード)ができず、上半身だけでスイングしてしまう
テイクバックでクラブを外側に引きすぎてしまう
ダウンスイングで右肩が突っ込む(右利きの場合)
「アウトサイドイン」は悪いとは限らない?
一般的には改善すべきとされるアウトサイドインですが、一概に悪いとは言えません。
例えば、プロゴルファーは意図的にこの軌道を使ってフェードボールを打つことがあります。
フェードボールはコントロール性が高く、コースの状況やピン位置では非常に有効です。
そのため、「悪いアウトサイドイン」と「良いアウトサイドイン」を区別することが求められます。
アウトサイドインのメリットとデメリット

ゴルフのアウトサイドインは、一般的には改善すべきスイングとされています。
一方で、状況や目的によってはメリットになることも。
アウトサイドインのメリットとデメリットを正しく理解しておきましょう。
アウトサイドインのメリット
◉フェードボールを打ちやすい
アウトサイドインの軌道は、右に軽く曲がる「フェードボール」を発生させます。
フェードボールはコントロール性が高く、狭いフェアウェイやピン位置が右側にある場合に有効です。
プロゴルファーの中には、意図的にアウトサイドイン軌道を使ってフェードを武器にする選手も多くいます。
◉アイアンでダウンブロー気味にインパクトできる
アウトサイドインの軌道は、クラブヘッドが鋭角にボールへアプローチするため、アイアンショットでダウンブロー気味にインパクトできます。
これにより、スピン量が増え、グリーン上でボールを止めやすくなります。
◉ラフや斜面で効果的
ラフや斜面では、クラブヘッドを外側から入れることでボールへのコンタクトが良くなり、ミスショットを防ぎやすくなります。
アウトサイドインのデメリット
◉スライスになりやすい
最も一般的なデメリットは「スライス」です。クラブフェースが開いた状態でボールに当たると右方向に大きく曲がり、飛距離が出ないだけでなくOB(アウトオブバウンズ)などのトラブルショットにつながります。
◉飛距離不足
アウトサイドインではクラブヘッドがターゲットラインに対して斜めに動くため、スイングの力が適切に伝わらず飛距離が落ちやすいです。ダウンブロー気味にインパクトするため、スピン量が増えることも飛距離減少の原因となります。
◉トップやダフリの原因になる
クラブヘッドの軌道が不安定になることで、トップ(ボールの上部だけを叩いてしまうミス)やダフリ(地面を叩いてしまうミス)の原因になることがあります。
初心者と上級者で異なる影響
アウトサイドインは、初心者と上級者でその影響が異なる場合があります。
それぞれの違いについて確認していきましょう。
◉初心者の場合
無意識にアウトサイドインになってしまうことが多く、その結果としてスライスや飛距離不足などの課題に悩まされることが多いでしょう。
また、安定したショットは難しいため、正しいスイング軌道(インサイドイン)を目指す必要があります。
◉上級者の場合
意図的にアウトサイドインを利用してフェードボールを打つなど、高度なテクニックとして活用されることがあります。
ゴルフのアウトサイドインは、改善すべきポイントとして捉えられることが多いですが、上級者は戦略的なショットとして活用する場合もあるので覚えておきましょう。
アウトサイドインを改善するための練習方法

ゴルフでアウトサイドインを改善するには、手打ちではなく体全体を使うことが重要です。
ここでは、アウトサイドインを矯正するための具体的な練習方法を紹介します。
スイング軌道を修正し、スライス改善を目指しましょう。
いくつか紹介するので、自分に合った練習方法を試してみてくださいね。
クラブを肩に担ぐドリル
手打ちがなかなか改善できないという人は、肩の回転が足りていないかもしれません。
クラブを肩に担いで、肩の回転を確認するドリルをやってみてください。
やり方は以下の通りです。
クラブを肩に担ぎ、スイング時の体の回転を確認
バックスイング時に肩がしっかり回り、右肩が後方に引けているか確認
ダウンスイングでは左肩が目標方向に向くよう意識
この練習をしてみると、想像以上に肩が回っていないことに気がつくかもしれません。
繰り返し練習して、肩がしっかり回る感覚を掴みましょう。
障害物を置いてスイング軌道を矯正するドリル
ゴムティーやボールなどの障害物を利用して、クラブヘッドがインサイドから下りるよう強制的に矯正する方法です。
ボールの後方(バックスイング方向)と前方(フォロースルー方向)にゴムティーやボールなどの小さな障害物を置く
後方の障害物は自分から見て奥に、前方の障害物は手前にセットする(アウトサイドインの軌道上に障害物を置くイメージ)
スイング中に障害物に当たらないよう注意しながらボールを打つ
バックスイングではクラブヘッドが外側に出ないよう意識し、ダウンスイングでは内側からボールへ向かう軌道を作ります。
慣れてきたら障害物の間隔を狭めて精度を高めていきましょう。
スティックやクラブでスイング軌道を確認
アウトサイドインのスイング軌道を修正するには、正しい軌道をイメージすることも重要です。
そのための練習として、スティックやクラブを使ったドリルがあります。
地面に目標ラインと平行になるようスティックやクラブを置く
スイング中にクラブヘッドがこのラインより外側に出ないよう意識して振る
正しいインサイドイン軌道(内側から内側へ振る軌道)が身につく
より正確にスイング軌道を修正するために、弧を描くような補助スティックも存在します。
自分にとって使いやすい器具を購入することも、選択肢の一つです。
スタンス修正練習
アウトサイドイン軌道になってしまう要因の一つとして、体のラインが目標方向に対して開いていることがあります。
自分ではまっすぐ立っているつもりでも、実は足や腰、肩のラインが開いてしまっていることも。
そうならないためにも、スタンスの確認・修正も行いましょう。
アドレス時に肩や腰のラインが目標方向と平行になるよう調整
鏡やスマホで自分の構えを確認し、オープンになっていないかチェック
再度、平行になるように調整
スティックやクラブを補助的につかって、目標方向と平行になるように調整することも効果的です。
アウトサイドインを直してゴルフをもっと楽しく!

アウトサイドインのスイング軌道は、多くのゴルファーにとって悩みの種ですよね。
しかし、正しい練習方法を取り入れることでアウトサイドインは確実に改善できます。
アウトサイドインを矯正することで得られる最大のメリットは、「スライスが減少し、自信を持ってショットが打てるようになる」ことです。また、飛距離アップや方向性の安定といった効果も期待できます。
今回紹介した練習法や知識を活用して、自分のスイングを見直しながら成長していきましょう。アウトサイドインを克服し、ゴルフをもっと楽しみましょう!