ライ角調整の基本!ライ角とは?ライ角が変わるとどうなるの?

こんにちは、ゴルフライターのとやです!
みなさんはライ角ってご存じですか?ゴルフ初心者のうちはあまり気にすることも少ないライ角ですが、ライ角を調整することでゴルフがもっと有利になるかもしれません。
「ライ角って何?」
「ライ角が変わるとどうなるの?」
こんな疑問を解決していきたいと思います。
ライ角って何だろう?

「ライ角」とはクラブを地面に対して水平に構えたときにできる地面とシャフトとの角度を指します。
クラブのロフト角は飛距離に大きく関わる要素ですが、ライ角は左右の方向に大きく影響する数値です。
ライ角を調整する大きな目的はボールの方向性を調整するためで、狙ったところよりもボールが片側に集まってしまう場合にライ角調整が有効となります。
適正なライ角ってどれくらいが目安になる?

適正ライ角はクラブによっても変わってきますので決まった数字はありません。
アドレス時にアイアンのトゥ側が2mm程度浮いているのが一般的です。このわずかなトゥの浮きは、インパクト時にヘッドが地面に対して水平になります。
ボールを打つときにトゥダウン現象というシャフトのしなりによって、わずかにトゥが下がってヘッドが真っすぐの状態でインパクトするためです。
見た目で適正ライ角をチェックするのは至難の業なので、フィッティングなどで計測をするか、ショットマーカーを使用してソールの擦れ具合をチェックしてスイング診断をすると今のスイングとライ角があっているかどうか確認できます。
アップライトとシャローについて

ライ角調整にはアップライトとシャローの2つあります。
アップライトは地面とシャフトの角度を大きくする調整。
対してシャローは地面とシャフトの角度を小さくする調整となります。
アップライトになるとボールがつかまりやすくなる
ライ角をアップライトに調整するとボールが捕まりやすくなる特徴があります。
そのためスライスが多発する人やボールをしっかり捕まえに行きたい人はアップライト方向への調整がおすすめです。
シャローになるとボールがつかまりにくくなる
ライ角をシャローに調整するとボールが捕まりにくくなる特徴があります。
引っ掛けやチーピンのミスを調整したい人や、左方向のミスを減らしたい人はシャローにライ角を調整していきましょう。
ライ角調整は自分のミスがどちらに出やすいかを見るべし

ライ角を調整するときは自分のミスがどちらに出やすいかをしっかり見極める必要があります。
方向性を重視したい場面でターゲットラインに対して引っ掛け気味なのか、それとも抜け気味のボールが多いのか、普段のゴルフで感じていることを思い出してみてください。
ラウンド中に
「もう少しボールが右に(左に)まとまってくれたらなぁ…」
なんて悩みが解決するかもしれませんよ。
ライ角があっていないとアドレスにも悪影響が出る?
仮に引っ掛けやチーピンに悩んでいる人が強いシャローにライ角を調整したとします。
本来その人に合っていないほどシャローにしてしまった場合、多くの人が前傾姿勢が強めになりハンドダウンの構えになりやすいです。
その理由はライ角をシャローにしたら通常のアドレスを取るとヒール側が浮いてしまうためです。それを調整するために前傾姿勢が強くなり、手の位置を下げるためハンドダウンになってしまいます。
ハンドダウンやハンドアップのアドレスが悪いわけではありませんが、ライ角を変更しただけなのにスイングそのものが大きく変わってしまうのはやはり得策とは言えません。
さらにインパクトにも影響が出てしまう可能性があります。
シャローにライ角を調整して前傾姿勢が深くなってハンドダウンのアドレスになってしまうと、シーソーのようにインパクトでは上体が起き上がってボールに届かなくなってしまいます。症状が軽いうちはフェースのトゥ側でインパクトする形になりますが、ひどくなるとボールにフェースが届かずボールの頭を叩いてしまうようなあたりが出てしまいます。
逆にアップライト側にライ角を強く調整した場合はどうでしょうか。アドレスでソールさせたときにトゥが浮くので、それをアドレスで調節しようとするとハンドアップになり上体が起き上がります。
すると体のねじれが充分に使えず手打ちになって、飛距離が出ない可能性が高くなります。
極端にライ角を調整してしまうとライ角が適正範囲から外れてしまい、結果的にアドレスそのものに悪影響を及ぼす点に注意が必要です。
ライ角調整ができるアイアンはフォージドアイアンだ!

アイアンが作られている素材には種類があって、ライ角の調整ができるアイアンとできないアイアンがあります。
ライ角調整のできるアイアンは軟鉄鍛造と言われているもので、ヘッドに「FORGED」と刻印されています。
飛び系アイアン、と言われているアイアンの多くは鍛造ではなく鋳造という製法。そのため基本的にはフォージドアイアンしかライ角調整はできないと考えてください。
ステンレス素材のアイアンはライ角調整できないの?

ステンレス素材の鋳造アイアンは「基本的にライ角調整はできない」と思ってていただいて大丈夫です。
ステンレスは素材そのものが硬く、曲げても戻ってこようとする力が働くためですね。
ただしステンレスにも色々あって硬いけどできないこともない、という場合もあるようです。
鋳造アイアンをどうしてもライ角調整したい!という方はゴルフショップのクラフトマンと相談してみる価値はありそうです。
ライ角調整はプラスマイナス2度くらいにした方が良い理由
ライ角の調整に関しては最初の状態からプラスマイナス2度くらいに留めておくのが良いでしょう。それは鉄を曲げるとネック部分のメッキにシワが入る可能性があるためです。
ネック部分にメッキのシワが入ってもショットに影響は出ませんが、やはり見た目を気にする人は多いもの。
大手ゴルフショップではクラブの破損などを防ぐためにマニュアルが設定されており、マニュアル以上のライ角調整はしてくれません。
ただこの場合もメッキのシワや傷など、自己責任で調整してくれるクラフトマンもいるようです。
ライ角調整はできればプロにお任せしよう
まれにライ角を調整するための器具を貸し出しているところもあるようですが、自分でライ角調整をするのはあまりおすすめできません。
ただヘッドを曲げるだけなので曲げることそのものは難しくありません。ただ上手く曲げられたとしても狙った数値に合わせるのが難しいんです。そのためなるべくライ角を調整するならプロの方にお任せするようにしましょう。
ライ角調整はアイアンだけじゃない!ドライバーやウッドも調整できるモデルがある

ライ角調整はここまで主にアイアンについてお話してきましたが、ドライバーやフェアウェイウッドでもライ角を調整できるモデルがあります。
いわゆる「カチャカチャ」と呼ばれる機能のもので、自分で簡単に調整が可能です。
アイアンと同じくライ角をアップライトにするとボールが捕まる性格に、逆にフラットにするとボールが捕まりにくい性格に変化します。
ライ角調整の本質を理解しよう
ボールを捕まえやすくしたり、捕まり過ぎないように調整したりとクラブの性格を変えることができるライ角調整ですが、1つ注意して欲しいポイントがあります。
それはライ角の調整はスイングがある程度固まっている人が行わないと効果が出ない点です。
例えばものすごくスライスが出るスイングをしている初心者がいるとしましょう。スライスが出るからと言ってライ角を強くアップライトに調整してもスライスがでやすいスイングが修正されるわけではありません。
ライ角調整が方向性に及ぼす影響はフェースの向きほど顕著ではありません。
まずはスイングそのものが安定しない人はライ角の調整でなんとかしようとするのではなく、スイングそのものをきちんと整えてから次のステップにすすみましょう。
ライ角を調整した方がいいゴルファーはこんな人!

ライ角を調整した方がいい人は、まずはある程度スイングや方向性が定まっている人です。
・右にも左にもミスが出る
・ボールがどこへ飛んでいくのか分からない
・ボールがまともに当たらない
・打っても打っても特大のスライスしか出ない
・スイングがバラバラ
こういった症状が出ている人は、まずライ角調整をする前にスイングを固めるところから始めてみましょう。
ある程度スイングや方向性が定まっている人の中でこんな人はライ角調整をすると効果を実感できるでしょう。
・狙いよりも左右どちらかにボールが偏りがち
・あたりがやや薄いショットが多くインパクトを分厚くしたい
・ヘッドの抜けの悪さを感じておりソールのヒールまたはトゥ側に擦り跡が偏っている
このような人はライ角調整がおすすめです。
ライ角調整の基本をおさらいしておくと、ボールをもっと捕まえたい場合はアップライトに、捕まり過ぎを抑えたい場合はシャローにセッティングしていきましょう。
ライ角の調整を上手く活用してスコアアップを目指そう

ライ角の調整を上手に活用すれば、狙ったところにボールを運びやすくなってくるでしょう。
狙い通りにボールが打てるようになれば、次のショットやアプローチも有利になりますのできっとスコアアップにつながってくるはずですよ。
ライ角の調整が気になっている方はぜひお近くのゴルフショップに相談してみてくださいね。