ゴルフのハンディキャップとは?計算方法や保有するメリットは?
ゴルフコンペに参加した際、「ハンディキャップ」という単語を聞いたことはないでしょうか?
「ハンディキャップ」を使用することで、年齢性別、実力に差がある人同士でも比較的平等に近い状態で勝負することができるようになります。
しかし、ゴルフを始めたばかりの方や、たまにしかゴルフをされない方はハンディキャップを持っていないですよね? では、どうやってハンディキャップを算出しているのでしょうか。 また、「シングルさん」などと言われる公式ハンディキャップとはどのようなものなのでしょうか?
この記事ではハンディキャップの種類や取得方法、持っているメリットなどハンディキャップ全般について解説していきます。
ゴルフのハンディキャップとは?
ハンディキャップについて、日本ゴルフ協会(JGA)は、以下のように定めています。
−ハンディキャップの目的は、技量の異なるプレーヤー同士が公平な基準で競い合えるようにすることにより、ゴルフをより楽しめるようにすることです。
(JGA日本ゴルフ協会HPより引用:http://www.jga.or.jp/jga/html/handicap/about.html)
ゴルフコンペの順位をグロススコア(1ラウンドの合計スコア)だけで競ってしまうと、 実力差が大きいアマチュア競技では、優勝者が固定化されてしまいます。
そこで、グロススコアから各自の技量に応じて定められたハンディキャップを引くことで算出されたネットスコアで順位を争うことにより、実力に関係なく平等に近い状態で順位を競い合えるようになります。
ゴルフのハンディキャップとは上手い人(平均スコアのいい人)が少なく、上手くない人(平均スコアが悪い人)が多いという形になります。
腕前の目安となる
ハンディキャップは、ゴルファーの腕前を示すひとつの目安です。 25前後のハンディキャップを持つ人は、アベレージゴルファーと呼ばれ、 だいたい100前後で回る場合が多いです。
15前後はグロススコア90前後のゴルファー、9以下となると『シングルさん』と呼ばれるアマチュアゴルファーの中でかなり上手い部類に入ります。
初対面の人同士でも互いのハンディキャップを聞けば、 その人のおおよその腕前が分かることになります。
もちろん、ゴルフは何が起こるかわかりません。 ハンディキャップはあくまで直近数ラウンドのスコアを元に算出した数字なので、 その日に回るコースやピン位置、天気などで、その限りではありません。
ゴルフコンペを盛り上げる
例えば下記のような場合、一見Aさんのほうが、成績上位に見えませんか? Aさん:グロススコア90、ハンディキャップ15 Bさん:グロススコア100、ハンディキャップ28
しかし、ハンディキャップを採用しているゴルフコンペでは、グロススコアからハンディキャップを引いたネットスコアで順位を競います。
そうなると、下記の通りBさんのほうがAさんよりも上位の成績になります。 Aさんのネットスコア=90-15=75 Bさんのネットスコア=100-28=72
この仕組みによりハンディキャップは、 成績が出るまで誰が優勝するか分からない楽しみを提供してくれます。
ハンディキャップが存在するのはアマチュアのみ
競技会やプライベートのゴルフコンペで、 ハンディキャップを用いて順位を出すのはアマチュアゴルファーのみです。
現在と同じJGAハンディキャップが制定された1978年までは、 プロゴルファーにもハンディキャップを採用していた時期もありました。 現在は撤廃され競技会に出る際にハンディキャップを用いません。
ハンディキャップを設定せず、グロススコアのみで成績を争うことを「スクラッチ」と言いい、アマチュアゴルファーも各クラブの三大競技のひとつである「スクラッチ選手権」などでは、ハンディキャップなしで腕を競う機会があります。
ハンディキャップの種類
ハンディキャップの種類は、2つです。
オフィシャルハンディキャップ
プライベート(略式)ハンディキャップ
それぞれのハンディキャップによって、算出方法が異なります。
オフィシャルハンディキャップ
オフィシャルハンディキャップとは、JGA(日本ゴルフ協会)によって算出された、「JGA/USGAハンディキャップインデックス」の通称です。
標準難易度のコースにおけるプレーヤーの潜在技量を示した尺度のことで、 小数点第1位までの数字で表されます。 全国のゴルファーのハンディキャップを一定の基準に基づいて算定したもので、 JGAが発行する国内唯一のハンディキャップになります。
JGAの定めたハンディキャップの目的通り、 技量の異なるプレーヤー同士が公平な基準で競い合えるようオフィシャルハンディキャップは設定されました。
判定基準が一定のため、他のゴルファーと技量を比較する際、 公正な判断ができるという信用力を持っています。
オフィシャルハンディキャップの取得方法
ハンディキャップを取得できる団体へ加入 ゴルフクラブに未所属の場合は、ゴルフ倶楽部や査定倶楽部に所属する必要があります。一番身近な方法は、ゴルフ場の会員権を購入しゴルフ倶楽部の会員になることです。 名義変更や新規募集などの方法で、自分の気に入った倶楽部の会員になりましょう。 また最近では正会員にならなくても、友の会(年次会員)でもオフィシャルハンデを取得できるゴルフ場もあります。 ただし、JGAの未加盟のゴルフ場はスコア登録ができないため、 所属予定の倶楽部がJGAに加盟しているかどうかを、必ず確認するようにしてください。
スコアカード5枚を提出 団体への加入が済めば、New J-sys(ニュージェイシス)への会員登録が可能となります。 スコアカードを5枚提出することで、次の更新日にハンディキャップインデックスが取得できます。
毎月1日に証明書が発行される 毎月1日になると、JGA/USGAハンディキャップインデックス証明書が発行されます。
プライベートハンディキャップ
プライベートハンディキャップは、ゴルフコンペなどで用いられるその場限りのハンディキャップのことです。
5つの計算式のどれを使うかあらかじめ決めておき、 ラウンド終了後にその日のスコアからハンディキャップを算出してネットスコアで順位を決定します。
オフィシャルハンディキャップが10の人でも、当日のスコアによっプライベートハンディキャップが5になったり15になったりすることがあります。
プライベートハンディキャップの主な決め方は下記の通り複数あります。
ペリア方式
ダブルペリア(新ペリア)方式
新新ペリア方式
キャロウェイ方式
変則キャロウェイ方式
下記でそれぞれのハンディキャップの算出方法を解説していきます。 現在の主流は2のダブルペリア方式(新ペリア方式)です。
ペリア方式 ペリア方式はパーの合計が24になるよう、18ホール中6ホールを隠しホールとしてハンディキャップを算出する方式です。
この6ホールのスコアを使ってハンディキャップを算出するのですが、 成績が出るまでどこのホールをスコア算定に使うのかプレーヤーには周知されないため、 これらのホールのことを隠しホールと呼んでいます。
ほかの方式にも当てはまりますが、隠しホールでダブルボギーやトリプルボギーなど、スコアをパーよりも多く叩くことで、その分ハンディキャップが多く付与されます。
ペリア方式のハンディキャップ= ((隠しホールにの合計スコア)×3−72)×0.8
ペリア方式はこの算式でハンディキャップを出しますが、 該当ホールが少なく運の要素が強いと言われています。
ダブルペリア(新ペリア)方式 現在ゴルフコンペで多く使われている、主流と言える方式がダブルペリア方式です。
ダブルペリア方式は、前後半それぞれ6ホール隠しホールを設定をします。 一般的には前半後半それぞれで、ミドルホールで4ホール、ロングホールで1ホール、ショートホールで1ホールを選択する場合が多いです。
ダブルペリア方式のハンディキャップ= ((隠しホール12ホールの合計)×1.5−72)×0.8
こちらは、ペリア式よりも実力に近いハンディキャップが出ると言われています。 公平性を求める観点からこちらを採用するコンペが多くなっています。
新新ペリア方式 新新ペリア方式は、ペリア方式の中でも一番新しいハンディキャップ方式で、あまり馴染みがないですね。
9ホールのスコアが36のとなるよう隠しホールを9ホール設定します。
新新ペリア方式のハンディキャンプ= ((隠しホール9ホールの打数)×2−72)×0.8
ペリア方式では運の要素が強く、ダブルペリア方式では実力の差が出やすいということで、その中間として考え出された方式が、新新ペリア方式です。
しかし、ダブルペリア方式が長く使われ定着し、 隠しホールが多いほうが面白いという声もあり、 あまり積極的に使われていないのが現状です。
キャロウェイ方式・変則キャロウェイ方式 ほとんど使われることがないため、この2つの方式もあることだけ覚えておきましょう。 この方式を考案したライオネル・キャロウェイ氏にちなんで名付けられた方式です。
グロススコアと最悪ホールのスコアに応じて、査定表を用いてハンディキャップを決定します。キャロウェイ方式では悪いスコアが大きいほどハンディキャップが大きくつくため、1つか2つ、わざと大たたきをするというゴルファーが横行しました。
そこで変則キャロウェイ方式は、隠しホールを設定することで、より公平にハンディキャップを算出するよう作られたものです。
ハンディキャップを取得するとできること
2つのハンディキャップのうち、オフィシャルハンディキャップを取得した人は公式競技会への参加ができるようになります。
具体的には、ゴルフ協会やゴルフ連盟が主催する、「アンダーハンディ競技」や「スクラッチ競技」など、年間を通して10ラウンド程度開催される競技です。
競技によって、オフィシャルハンディキャップが18以下が望ましいなど、規定が設けられている場合もありますので、参加の際は注意が必要です。
スコアカードの「HDCP」はコースの難易度!
ゴルフ場に行いくと専用のスコアカードがもらえます。スコアカードにも「HDCP(ハンディキャップ)」という文字と数字が記載されています。
これはプレーヤーが付与されるハンディキャップとは違い、 「ハンディキャップナンバー」と言いいます。 一般的にはゴルフ場の中で一番難しいホールがハンディキャップ1、一番簡単なホールがハンディキャプ18となります。
コンペで使用するハンディキャップとは少し意味が異なるので合わせて覚えておきましょう。
本気で上達を目指すならハンディキャップの取得がおすすめ!
いまはまだ縁遠い話かもしれませんが、本気で上達を目指してアマチュア競技に参加してみたいという方は、どこかのゴルフ倶楽部の会員権を購入しハンディキャップを取得することをおすすめします。
ハンディキャップはそのゴルファーの技量の目安となるものです。
練習をして競技会に出て、ハンディキャップを縮めていくことは、実力がついた証とも言えますので、今後の上達に役に立つものであると言えるでしょう。
全アマチュアゴルファーのうち、多くの割合を占めているのがアベレージゴルファーと呼ばれる平均スコア100前後のゴルファーです。
対してハンディが9以下のシングルプレーヤー、全体の5〜7%前後の割合と言われています。
さらにシングルプレーヤーの中でも、 ハンディが5以下の「片手シングル」や、 ハンディが0の「スクラッチプレーヤー」などは、 ゴルフ倶楽部の中でもトップクラスの存在であり、対外的にも名前の知られたプレーヤーであることが多いです。
まとめ
ゴルフのハンディキャップについてご紹介しました。 ハンディキャップはゴルファーの腕前を示すとともに、 ゴルフコンペを盛り上げてくれる役割を持ちます。
初心者のうちは積極的にハンディキャップをたくさんもらってゴルフコンペで景品をゲットするのがおすすめです!
また、ゴルフに本気で取り組みたい方はオフィシャルハンディキャップを取得し競技会に出場することで、実力をつけていきましょう。