アイアンでティアップする理由は? メリット・デメリットを解説!
アイアンはティショットになると、どうしてティアップをするのでしょうか?
もちろん、ティアップした方がメリットがあるからでしょうね。
一方で、トーナメントのプロや上級者のゴルファーが地面からそのまま打つシーンもよく見られます。
いったいどちらが正解なのでしょう。
実は、アイアンのティアップにはメリットもあれば、逆にデメリットもあるのです。
ここでは、ティアップする功罪について詳しく解説します。
番手毎のティの高さの目安や、ティアップが初心者の練習におすすめな理由も紹介しますので参考にしてください。
アイアンでティアップする理由
アイアンでティアップする最も大きな理由は、地面の状態(ライ)や、芝の影響を受けずにショットができることです。
地面が雨でぬかるんでいたり、芝が濡れているときなど、ティアップをすればライの影響を受けずに球をクリーンに打てます。
ティアップをしたいポジションの芝がはがれているときでも、ティアップをすることで自分にベストなポジションからショットができます。
ボールとフェースの間に芝が挟まると、スピン量が落ちたり、弾道が変わったり、飛距離のロスにつながることもあります。
ボールを芝の上までティアップすれば、そんな心配がなくなります。
弾道の高さを調整できることもティアップをする理由の一つです。
ロフトの立ったクラブでグリーンを狙うときなど、ティアップを少し高くすることで、弾道を高くしてグリーンで止まりやすい球を打つことができます。
逆に、風の強い日などはティを低くしてショットすると、低弾道の強い球で風の影響を受けにくくなります。
低弾道で打てれば、ランが増えて距離を伸ばすことも可能です。
・・・ここまでは、多くのゴルファーがティアップをする一般的な理由を解説しました。
アイアンをティアップするメリットとデメリット
ここからは、アイアンをティアップするメリットとデメリットについて具体的な例を挙げて解説します。
アイアンのティアップはメリットが多いのですが、メリットがデメリットにつながる側面もあるので注意が必要です。
メリット
①思い切って振りぬける
ティアップすることで、地面を気にせず思い切って振りぬくことができます。
地面の状態や芝の抵抗などを気にしないで、スイングに集中できることがティアップの最大のメリットといえます。
②ダフりにくい
アイアンショットでよく出るミスは「ダフリ」です。
アイアンの目的は距離を正確に出すことなので、いきなりティショットがダフって距離が少ししか出ないのではお手上げです。
ティアップすれば、地面とボールの間に隙間(距離)ができるためダフリにくくなるので安心です。
③芯でとらえやすい
ティアップをするとクリーンにボールを狙えるので、芯でとらえやすくなります。
また、最近のアイアンは高い弾道を出すために低重心にする傾向があるので、芯も低い位置になっています。
ほんの少しティアップをすることで、低重心でも芯で打つ事がやさしくなります。
④飛距離が計算しやすい
ティアップすれば、芝や地面からの抵抗がないので、一定の距離を出しやすいのがメリットです。
パー3のショートホールではピンに寄せたいので、ピンまでの距離を狙いどおりに打てるティアップは効果的です。
デメリット
適切な高さのティアップはメリットが多いですが、高すぎると逆にデメリットになる恐れがあるので注意が必要です。
①天ぷらになりやすい
ティが高すぎると、アッパーブローで打ちたくなります。
そのため、ヘッドが下から入って天ぷら気味の打球になる恐れがあります。
高く上がりすぎたボールは、飛距離も落ちてしまい、風の影響を受けやすくなります。
これは、ヘッドが下から入るとフェースが寝てしまい、リアルロフト(実際のロフト)が上がる(上を向く)ことが原因です。
②アッパーブローでダフリになる
アッパーブローで打つとダフリにつながるという指摘もあります。
アッパーブローではボールを右から覗き込むアドレスになり、スイングの最下点が右に移るので、ボールの手前の地面を叩いてしまうのです。
③左へのミスや右へのシャンクが起こりやすい
ティを通常より高くしたときは、アドレスのときよりインパクトで上体を起こしたフラットなスイングになり、左に引っかける可能性が高くなります。
また、上体を起こしたフラットなスイング軌道ではネックにも当たりやすく、右へのシャンクが起こりやすくなります。
ティアップのデメリットとして、ティが高すぎるとミスにつながりやすいことを説明しました。
それでは、適切なティの高さとはいったいどのくらいの高さなのでしょうか?
ティアップの高さの目安【番手別】
ここでは、ティアップの高さの目安について番手別に説明します。
アイアンのティアップの高さはドライバーやFWなどウッド系より低いことが基本となりますが、番手によって高さを変えることも必要です。
パー3など短いホールでは、グリーンに乗せて、ピンに近づけることが目的となるので、選んだ番手が適切な距離を出してくれる「基本的な高さ」を知っておくことが大事です。
【番手別の基本的な高さ】
①ショートアイアンの基本的な高さ(8番・9番・PW)
地面から 1~2mm程度
ボールを乗せるとティが隠れるくらい
②ミドルアイアン(5番~7番)
地面から 3~5mm程度
ティの先が少し見えるくらい
③ロングアイアン(3番・4番)
地面から 5mm程度
アイアンのティアップは、高すぎるとミスが出やすいので、目安として低目であることがいい結果につながるとされています。
アイアンでティアップしない人のタイプとその理由
アイアンでティアップしないで地面からそのまま打つゴルファーがいます。
ティアップしないで地面から打つゴルファーには大きく分けて3つのタイプがみられます。
まず初めに、ダウンスイングでボールを地面に押し付ける感覚で打ちたい人や、地面からの反発力を利用して飛ばしたい人はティアップを選びません。
アイアンはもともと地面から打つように作られています。
この機能を上手に使える上級者やプロゴルファーは、グラウンドの状態が悪くなければ、わざわざティアップする必要を感じないのです。
2つめのタイプとして、ボールの高さが変わることでスイングを変えるのがイヤな人や、いつもどうり地面から打つ方がいい結果がでると思っている人は地面から打つ方を選ぶでしょう。
このタイプはティアップするとアッパーブローになってミスショットをしやすい人に多く見られます。
アイアンのティショットは、ダウンブローで打たないとミスが出やすくなります。
トーナメントでよく見られるように、プロのティショットはティアップしてもダウンブローで打つので、ティの先にはきれいにターフが取られていますよ・・・。
3つめは、番手や芝の長さで使い分けるタイプです。
上級者やプロゴルファーでは、ミドルアイアンより大きな番手や、ウエッジなどではティアップしないで地面から直接打つ人がいます。
逆に、ティインググラウンドの芝が長いときにはティアップするプロもいます。
ティアップしない派にも、いろいろなタイプの人や、状況によって使い分ける人など様々なタイプと理由があるのでした。
初心者のアイアン練習はティアップすると効果的
ゴルフ初心者の方は、アイアンはティアップをした練習が効果的です。
中・上級者がよくやっているティアップして打つアイアンの練習方法は初心者にも効果があります。
ゴルフを始めたばかりのときは、アイアンで地面を打つ事に抵抗を感じることが多いです。
ダフリが怖くて、恐怖心さえ感じる人がいます。
でも、ティアップをすればダフリを怖がらずにクラブをスムーズに振ることができるでしょう。
また、打ちっぱなしの人工芝は滑りやすくできているので、少々ダフってもナイスショットになります。
ゲストに喜んでもらえるように、滑りやすくしているという噂も・・・。
そのため、ミスしていることに気がつかないという欠点があります。
ティアップをすれば、人工芝のように滑らせて打つことができません。
ボールをクリーンに捕らえてインパクトしないとミスショットになるので、芯に当てる練習になるのです。
ゴルフが初めての頃は、アイアンで地面に打ち込む練習をしすぎて手首を痛めることがよくあります。
ティアップで練習すれば危険防止にもなるので安心です。
ティアップの練習方法は・・・最初はドライバーで打つときのような高さで打って、慣れてくればだんだん低くして打つといいでしょう。
ティアップ練習は、地面からのショットに効果的であることはもちろんですが、ショートホールのティショットの練習でもあるので、二重の効果があるのです。
余談になりますが、プロがティアップして練習する目的は初心者の場合とまったく異なるようです。
トーナメントでアイアンの調子が良くないときなど、ラウンドの後でティアップして練習をすると、ミスの原因が良く分かるのですぐに修正できるのだそうです。
まとめ
アイアンでティショットする理由や、メリットとデメリットについて解説しました。
ティアップはメリットが多いのですが、デメリットにつながる側面もあるので注意が必要です。
番手別にティの高さを変えると、狙い通りの飛距離や高さを出しやすいこともお伝えしました。
中・上級者だけではなくて初心者の方も、打ちっぱなしでのティアップの練習はとても効果的で、スキルアップにつながります。
どうぞ、ティアップの練習をして、スコアアップを図ってくださいね。